01 1月 ジュリー・ヴァシェ Julie Vacher
ジュリー・ヴァシェは、物理的なものと仮想的なものが共存する時代においての人間同士の関係、人間と人間以外のものとの関係、生物とその環境との関係の変化のプロセスを演出します。 彼女の実験の分野は、生態学的な想像力、健康の幻想、さらには仕事の世界にまで及びます。
彼女の作品は、映画、マルチメディアの音響インスタレーション、ウェブ制作、ラジオ番組制作などの形式で表現されます。彼女は現実を基盤とした詩的な文章を通じて、自然主義と合成、ドキュメンタリーと仮説を融合させた作品を創り出しています。
リヨン国立高等美術学院で学んだ後、2018年に国立現代アートスタジオ「ル・フレノワ」を卒業したジュリー・ヴァシェの音響と映像の作品は、FIDマルセイユ(フランス)、台北デジタルアートフェスティバル(台湾)、パラッツォ グラッシ フォー ヘリコトレマ (イタリア)、サロン ド モンルージュ(フランス)、ビエンナーレ・ミュージック・アン・セーヌ(フランス)、ポワトゥー・シャラント地方現代美術基金 FRAC(フランス)、アメリカン・ドキュメンタリー映画祭(カリフォルニア、アメリカ)、アンティルセンギャラリー(フランス)、パリ国際現代アートフェア(FIAC)の関連イベント《シネフェメール》、SNIFF(フィンランド)など、主要な現代美術や映画のイベントで紹介されています。
「砧- 借りた声」(仮題)
ジュリー・ヴァシェーは、2022年の京都での滞在中に最初に考えていたサウンド・インスタレーション・プロジェクトを、2023年に短編映画プロジェクトへと発展させました。
京都で一人暮らしをする老女は、言葉を話す能力を失っていました。映画の中で、彼女は徐々に自分の声と言葉を再び使えるようになり、彼女の個性が形作られていきます。言語を通して、コロナ禍以降の日本における、孤独の関係を探る、創作を帯びた面妖な映画です。
ジュリー・ヴァシェーは人の声や言語が社会の症状をどのように伝えるのかに耳を傾け、リサーチを行い、そこで、宮城聰が演出する現代演劇SPACの俳優たちや、歌手のMarlyn Anasonic、キンダー・フィルム・フェストの映画の吹替ワークショップ、そして伝統的な能楽など、声を仕事道具や実験の場としている日本の人物たちと出会いました。
写真 :
Portrait : DR
– Bbbuuurrrnnnooouuuttt
Installation sonore et lumineuse (5 canaux), 10min, socles, moquette, câbles, Exposition “Comme les mots me paraissaient exsangues…”La Générale, Paris, FR, 2019, crédit Julie Vacher
– Les Parlants et les Écoutants (détail)
Installation sonore (9 canaux) et lumineuse (10 canaux), assises, 27 min, 2018, Exposition “Panorama 20”, Le Fresnoy, FR, 2018, crédit Julie Vacher
– La Mytho : studio training
Installation immersive : multimédia (4 canaux sonores et 1 écran), vinyl coloré, tissu et câbles, 10 min, Villa Belleville, Paris, FR, 2019, crédit Julie Vacher
– Plat de Résistance
Création Radiophonique, stéréo, 27 min, 2018, Production France Culture, Creation on air, Sound Factory, crédit Julie Vacher
– La chambre d’ouïe
Expérience d’écoute en binaural et création web, 2019, Avec le soutien à un projet artistique du Centre national des arts plastiques (CNAP) et Le Fresnoy-Studio National des Arts Contemporains, crédit Julie Vacher
Julie Vacher / ADAGP 2021