01 1月 ルイーズ・エルヴェ&クロヴィス・マイエ Louise Hervé & Clovis Maillet
ルイーズ・エルヴェとクロヴィス・マイエは、アートとリサーチが絡み合った活動に2人1組で取り組んでいます。美術史と歴史人類学を学んだ2人は、2021年にI.I.I.I(International Institute for Important Items/国際重要アイテム研究所)を設立。2人のアート作品は歴史資料と実地調査を組み合わせたもので、知識がどのように伝承され、構築されるかを探究するものです。2人のパフォーマンスは、リサーチ活動の実験室として考案されており、ジャンル映画、インスタレーションや出版物の形を取ることもあります。
イヴリー現代美術センター《Le Crédac》、デンマークのオーフス現代美術館や韓国の釜山ビエンナーレ2020などで開催された2人の個展やグループ展はポリフォニー的な性格を備え、2人の仕事の多様な側面を物語っています。2人のパフォーマンスと映像作品はフランス国内の展覧会やフェスティバル(ポンピドゥー・センターのフェスティバル《Hors Piste》、リヨンの映画祭《Les Inattendus》)のほか、国外でも紹介されています(フィレンツェ映画・現代アートフェスティバル《Lo schermo dell’arte》、テキサス州の美術館「ダラス・コンテンポラリー」)。
ルイーズ・エルヴェとクロヴィス・マイエはパリのマルセル・アリックス・ギャラリーの取扱い作家となっています。
Shûfuku, la restauration /《修復》
ヴィラ九条山でのレジデンス中のプロジェクトにおいて、ルイーズ・エルヴェとクロヴィス・マイエはパフォーマンス、再現と歴史的知識との間の関係についての調査を継続します。このプロジェクトは
「Spectacles sans objets/当て所ない見世物」(映像、出版とパフォーマンス、2016年)の延長線上に位置するもの。西洋的な観点からすれば、保護される文化財や歴史的建造物はモノそのものであり、それが修復という理念の基礎となっています。日本では、モノ自体と同様に、モノの修復、維持管理や保存を可能にする技術的知識も保護の対象となっています。
そこで《修復》において目指されるのは、技術的、歴史的知識の伝承の機会を観察し、形式、動作や音のレパートリーを収集し、パフォーマンスの修復ツールを揃えることです。
写真 :
Portrait : Louise Herve Clovis Maillet, credit Lucas Charrier
– Spectacles sans objet 2016
L. Hervé & C. Maillet, Spectacles sans objet, installation video et diapositives 35mm, un disque vinyle, performances, 2016
crédit image : I. I. I. I. et Courstesy Galerie Marcelle Alix.
– Future Liquid Reduction 2019
L. Hervé & C. Maillet, Future Lithic Reduction, Performance et installation d’objets préhistoriques, 2019
crédit image Lucas Charrier et Courtesy Galerie Marcelle Alix
– Liquidum 2020
L. Hervé & C. Maillet et Lucile Viaud, Liquidum, series of 4 marin glass “Glaz” sculptures, 9x9x18cm, 2020
crédit image : atelier Lucile Viaud