29 9月 グレゴリー・シャトンスキー Grégory Chatonsky
ソルボンヌ大学、パリ国立美術学院で学んだ後、グレゴリー・シャトンスキーは、1994年に、初めてのインターネットアート集団のひとつであるIncidentを立ち上げました。それ以降、デジタル作品、アナログ作品を通じて、ネットワークと存在の関係性を探求しています。グレゴリー・シャトンスキーは、多くのアーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加しています。C³ de Budapest (2001年)、le Studio Cormier de Montréal (2002年)、l’École offshore de Shanghai (2012年)、le Musée d’art contemporain de Taipei (2013年)など。2004年から2005年に滞在したLe Fresnoyでは、指導もしていました。パリのXpo Galleryがグレゴリー・シャトンスキーの作品を取り扱っています。
グレゴリー・シャトンスキーは2014年9月から12月にかけてヴィラ九条山にレジデントとして滞在。 滞在中は、多作きわまりない架空のロックグループの名称である『Capture』と題されたプロジェクトを展開し、その実現に当たっては、大垣にある情報科学芸術大学院大学[IAMAS]の協力を得て、ボーカロイドの声を音声合成システムに取り入れました。
また、空想物語に基づき構築された『Télofossiles/テロフォシル』と題された別のプロジェクトにも力を注ぎました。——— 数千年先の未来、人類が消滅したあと、ある知的生命体が原初の無機的な状態に戻ったこの惑星を発見します。そして、地面を掘り起こし、化石と化した夥しいモノを見つけ出します。私たちのかつての存在から、この知的生命体は何を推論することになるのでしょう?
シャトンスキーは、このプロジェクトの新規バージョンのために、いくつかのジェネレーティブ・ビデオを制作し、『Extinct Memories(仮題:消えた記憶)』と題されたこのバージョンは2015年2月にはケベックのアートセンター「ラ・シャンブル・ブランシュ」で、4月には北京で、9月にはブリュッセルの「インターラクティブ・メディア・アート・ラボラトリー(IMAL)」で公開の運びとなっています。
ヴィラ滞在中、シャトンスキーは有名な龍安寺の石庭をテーマとした新規プロジェクトも実施し、この石庭をデジタル化し、三次元モデルを作成することができました。このデータバンクに基づき、失われた空間という概念を巡るいくつかのインスタレーションを企画し、近いうちに展示されることになっています。