02 9月 ヴァンサン・トゥセ=アンレス Vincent Tuset-Anrès
ヴァンサン・トゥセ=アンレス:デザイン/グラフィックデザイン
マルセイユを拠点に活動するアーティスティックディレクター、キュレーター、グラフィックデザイナー、編集者のヴァンサン・トゥセ=アンレス(1975年生まれ)。2004年以降、マルセイユの中心街に位置する団体組織Fotokinoのアーティスティックディレクターを務め、Fotokino出版社が刊行する出版物の編集・ディレクションとグラフィックデザインを担当しています。フリーランスのキュレーターとグラフィックデザイナーとして、様々な機構からの依頼を受け、個人やFortuno Buscaというアーティストコレクティブとしても活動を行っています。自分とは異なるノウハウ、美的感覚、思考方法とこれまでの経験を対比させ、今までの活動基盤とは180度異なる、新たな地平を切り開きたいと考えたことをきっかけに、2023年、日本のアーティストブックに関する研究を開始しました。
日本のアーティストブックの展望 / 伝統的なノウハウと現代的手法
アーティストブックというレンズを通して見るこのプロジェクトは、日本の美術書出版業界の全貌を探ることを目的とし、その手法、ノウハウ、技術的特徴、美的センス、概念、そして現代の手法の特異性に着目するものです。日本で活動を行うことで、リサーチ対象に直接触れ、日本の業界関係者との出会いや交流を通して、彼らの経験や知識を学ぶことができると考えているトゥセ=アンレス。リサーチ終了後は、本プロジェクトをより多くの人に知ってもらい、現在転換期を迎えている概念、技法、グラフィック、エコの分野で、新しいモデルを提案したいと考えています。さらに、日本の美術書出版業界がいかに革新的で、豊かな伝統と卓越した職人技を持ち合わせているのか、そして現代のアートシーンにおけるバイタリティーの凄さを、より多くの人に伝えることを目指しています。造形美術、グラフィックデザイン、工芸を組み合わせて行うのが、今回の分野横断的プロジェクトです。
Crédits photos :
Portrait : © Pascal Béjean
1- Nathalie Du Pasquier, Sometimes Making Someting Leads to Nothing, éd. Fotokino, 2023
2- Laurent Millet, À peu près Euclide, éd. Fotokino, 2023
3- Nigel Peake, Hotel Drawings, éd. Yvon Lambert, 2024
4- Philippe Weisbecker, Le Service Shell à travers le Sahara, éd. Fotokino / Yvon Lambert, 2020
5- Mogu Takahashi, Here my Seat, éd. Fotokino, 2020