29 9月 ピエール=ジャン・ジルー Pierre-Jean Giloux
アーティストで映画監督のピエール=ジャン・ジルーはリヨン国立美術学院で学んだあと、英国とマルセイユ=リュミニー美術学院でも学びました。
写真に勤しんだあと、彼の仕事は映像を中心としたものとなりました。また、自作のインスタレーションや映像作品を各種フェスティバル、ポンピドー・センター、MAC/VAL、バス・ノルマンディー地方現代アートセンター、イヴリー現代アートセンター(CREDAC)などで発表しています。
ピエール=ジャン・ジルーは2015年7月から12月にかけてレジデントとしてヴィラ九条山に滞在。そのプロジェクトは『Invisible Cities』の第4作目にあたる『Station to station』の構想と撮影に関するものでした(最初の3作も既に日本で撮影済み)。これは拡張現実(AR)によるビデオプロジェクトで、ドキュメンタリーとフィクションが入り混じった作品となっています。
関西地方において琵琶湖やその周辺部を始めとする自然環境を発見したことに伴い、ピエール=ジャン・ジルーはこの映像作品では主として琵琶湖から京都へと向かう道程を取り上げています。京都周辺のいくつかの場所で撮影を行ったほか、3Dで の再現映像を実現するため、琵琶湖疏水を管理する京都市上下水道局の資料映像も利用しています。日本の建築界の有名人の多くとの出会いも、インタビュー映像を通して、リサーチのプロセスを充実させるものとなりました。
ヴィラ九条山に滞在中、ピエール=ジャン・ジルーはニュイ・ブランシュKYOTO 2015の機会に京都国際マンガミュージアムで自作を上映したほか、京都芸術センターでの展覧会にも参加しました。