01 1月 カンタン・クロン&オンブリーヌ・レイ Quentin Coulon & Ombline Ley
カンタン・クロンは ドキュメンタリー、ビデオやサウンド・クリエーションを手掛けています。2012年に立ち上げたインターネットメディア《GRÜNT》は、今では制作会社ともなっています。
2016年から、カンタン・クロンはマリ人の若いサッカー選手アブドゥライ・ディアビの日常生活を追い続けています。この出会いから生まれたのが2本の映画作品。2017年制作の『Doni doni de kononi be pan/少しずつ鳥は飛び立つ』は翌年のカンヌ汎アフリカ国際映画祭に入選、2021年には『Diaby/ディアビ』を制作。こうした活動と並行して、カンタン・クロンは音響エンジニアやサウンドエディターとして映像音響技術分野の活動にも携わっています。
オンブリーヌ・レイは造形作家、ミュージシャンにして映画監督。国立高等装飾芸術学院(ENSAD)を2014年に卒業し、翌年には映像作品『Cavernicole/洞窟動物』を発表。この作品はコロンビアのボゴタ短編映画祭《Bogoshorts》で最優秀作品賞を獲得しました。2018年には、初めての長編作品『Dans la terrible jungle/恐ろしきジャングルにて』をカロリーヌ・カペルと共同監督。障害者医療教育施設《ラ・ペピニエール》の若者たちの日常を描いたこの作品は、カンヌ国際映画祭のACID部門(主催:インディペンデント映画普及協会)で発表されました。2020年には、パリの現代アートセンター《ル・バル》からの依頼により、改めてカロリーヌ・カペルと組んで制作された短編映画『B.R.I.N.』を発表。初の写真集『Fascinus/ファスキヌス』がFP&CF社から出版される一方、音楽ユニット《Duo Kor》と共同で、ビデオとパフォーミングアーツを取り入れたミュージカルのプロジェクトにも取り組んでいます。
Ministère de la Solitude /『孤独担当省』
日本での初めてのコラボレーションのため、カンタン・クーロンとオンブリーヌ・レイはドキュメンタリーとフィクションが入り混じった作品の制作において、人々に耳を傾け、発言を促し、予期せぬ出会いを生み出す状況を引き起こします。
レジデンス期間中、2人が計画しているのは日本の若者たちと出会うこと。
それは1960年代の若者であったり、今の時代の若者であったりします。『孤独担当省』は、現代資本主義と結びついた新しい疎外の形を取り上げ、三ないギャル、ひきこもり、着ぐるみん(着ぐるみ族)、童貞クラブのメンバーなど、自発的か否かを問わず、現代社会から抜け出そうとしている若者たちがもたらす回答を巡る映像プロジェクトです。最終的には、複数の声が、境界と言えば人が与えたいと考える境界しかない幻想空間を浮かび上がらせることになります。
写真:
Portrait : Quentin Coulon & Ombline Ley
DANS LA TERRIBLE JUNGLE_Affiche_2018_C. Morilleau, C. Capelle et O. Ley
Duo Kor_Korloscopie 2016, (O.Ley et T. Rancoeur)
Quentin Coulon_Doni doni de kononi be pan, Gabon,2017
Quentin Coulon_Ceci est une frontiere, Bamako, 2016