08 3月 ポリーヌ・ブラン Pauline Brun
ポリーヌ・ブランは振付家、パフォーマー、ダンサーにして造形作家。アーティストとしてのその活動では、不条理と紙一重のところで自虐ネタを用いて身体を探究するとともに、文脈や様々な媒体を巧みに操っています。ニース地方音楽院ではダンスを、ヴィラ・アルソンとパリ国立高等美術学院ではで造形芸術を、モンペリエ国立振付センターのマスター・プログラム《ex.e.r.ce》では 振り付けを学んだポリーヌ・ブランは、パフォーマンスとビジュアルアートの狭間で提案を打ち出し、プロジェクトごとに分野横断的な試みを展開することを楽しんでいます。
その創作活動は、フェスティバル・パラレル(現代アートセンター《3bisf》)、Far°フェスティバル(スイス)、ポンピドゥー・センター、ヴァル・ド・マルヌ現代美術館(MAC/VAL)、現代アート展《サロン・ド・モンルージュ》、ニース近現代美術館(MAMAC)、アーティスト自主運営スペース《La Station》、国立ダンスセンター(CND)などで紹介されてきました。また、パーフォーマーや舞台美術家としては、ファニー・ド・シャイエ&フィリップ・ラメット、アラン・ビュファール(ダンス作品「Mauvais Genre」の再現)、ポル・ピ、ジュール・フリエルル、ニナ・サンテス、アダリーヌ・アノビル、ジョナス・シェローやアントワーヌ・セガラなどとのコラボレーションを行なっています。
CHINDOGU
ヴィラ九条山でのポリーヌ・ブランのプロジェクトは《CHINDOGU (珍道具)》と題されたもの。これは素人仕事、寄せ集めや怪しげな細工からでき、役に立つかもしれないが実際には使用不可能な珍妙なオブジェを作り出すという1980年代に生まれた活動に与えられた名称です。パフォーマンスと造形作品の両要素を兼ね備えたこの営みは、創意工夫の放棄に似通い、既成の枠の外に放置された一点物の作品とも、資本主義的な効率性の追求からの常軌を逸した逃げ口上とも言えるもの。
ダンス、パフォーマンス、舞台美術、衣装、音と光の創作を連動させるプロジェクト《CHINDOGU》は、珍道具の考案者との接触や既存の珍道具の収集を通して、この抵抗の営みが出現した文脈について調査することや、現代日本の振付やパフォーマンス作品における身体、モノや空間との関わり方を理解することに基づき、経験的な手法で構築されることになります。こうしたリサーチは、役に立たないもの、使用不可能なもの、常軌逸脱や迂回を、作品のあらゆる制作段階において、アクションや振付の題材に移し替えるための推進力となります。
ポーリン・ブランは、12月20日(水)に京都のアーバンギルドで開催されるイベント「Four dancers vol. 271」(19-22時)の一環として、リサーチパフォーマンス「クロコカラオケ」を行います!
企画:ポーリン・ブラン
出演:大歳芽里、ポリーヌ・ブラン
歌・語り:大里エリザ
ギター:カミーユ・レ
テクニック : ジャネル・ボー
Crédits photos :
Œuvres:
© Pauline Brun, Raide d’équerre
© Pauline Brun et Marcos Simões, Tie-Tool
© Pauline Brun, Gna Gna Gna (Live)
© Pauline Brun, Étalon par défaut