08 1月 アニー・クローストル Annie Claustres
アニー・クローストルは現代美術の歴史・理論の研究指導資格(HDR)を有するリヨン第2大学の助教授。テラ・アメリカン・アート財団の給費生(2009年)に選ばれたほか、パリ国立美術史研究所の学術顧問を務めました(2010年〜14年)。著書としては、周縁文化を取り上げた『Le tournant populaire des Cultural Studies(1964-2008)/カルチュラル・スタディーズの大衆的転機(1964年〜2008年)』(2013年)と題されたアンソロジーを刊行。単著『Objets emblèmes, objets du don. Enjeux postmodernes de la culture matérielle, de 1964 à nos jours /象徴としてのオブジェ、贈り物としてのオブジェ。物質文化のポストモダン的争点:1964年から今日まで』(2017年)は贈与論に新たな意味付けを与えています。
日本における贈り物としてのオブジェ:《折形》の昔と今
日本における贈り物の美学である《折形》の創作過程を、日本の造形作家、美術工芸家や行為理論家との密接な協働により探求することが目指されます。日常生活の品々との関係で物質文化の領域が重視されはするものの、それだけが偏った形で検討されることはありません。ビデオインタビューやワークショップが経験や意見の交流として有意義なものとなります。最終的には、視聴覚アーカイブ、ビデオや資料のパリでの展示が考えられています。これにより、贈り与えることが社会的、審美的、政治的な意味合いを備えた贈り物として作り出されたものに照らして、芸術作品が単なる商品と見なされるのを阻むことが目指されます。