16 11月 オレリー・ラノワズレ Aurélie Lanoiselée

美しさ際立つテキスタイル、オブジェクト、そして素材を生み出すデザイナー、オレリー・ラノワズレ。応用美術のバカロレア資格取得後、ファッションデザイナーの上級技術者免状(BTS)および刺繍の美術大学の職業学位(DMA)を取得。その後、デュペレ応用美術学校でファッションデザイナーのポストBTSを取得したラノワズレにとって、表現ツールとなったのが手刺繍、テキスタイル制作、仕上げ加工でした。2002年からラノワズレが貫いてきたこと、それは刺繍というツールを用いて喜びを縫い表すこと。ファッションデザイナー、アーティスト、クリエイターや建築家が、ラノワズレが生み出す素材や技術を採用しています。このような交流、出会い、分かち合いによって、彼女の新しい作品に息吹が吹き込まれます。人との繋がりが織り成され、糸により人と人とを紡ぐことができるのです。
- 2009年:ベタンクールシュエーラー財団、「手の知性」エクセプショナル・タレント賞、受賞
- 2011年:E&Y財団、手工芸およびイノベーション賞、受賞
- Lauréate du Grand Prix de la Création de la Ville de Paris. 2011 (Métier d’art confirmé)
2011年:パリ市立クリエーション大賞、受賞(称号「メティエ・ダール」認定) - 2022年:Les Grands Ateliers de France会員
一期一会(Ichi-go ichi-e)*
*かけがえのない一瞬を大切にせよという、ことわざ。
オレリー・ラノワゼレにとってレジデンスは、新たな息吹。彼女の刺繍の世界に「日本」という未知の現実と思想体系を織り込みたいと考えています。彼女のインスピレーションとなるのは、自然、文化遺産や日本特有の素材など、多岐にわたります。
昔から、思いがけない素材(人生の軌跡という破片)を収集してきたオレリー・ラノワゼレ。これらの素材に新しい命を吹き込むことで、その行く末が変わり、再生利用に近い素材が生み出されています。彼女の作品は、京都にある意外な一面、唯一無二の壮麗さ、自然、伝統、詩学、刺繍、工芸、そしてデザインを呼び起こすミステリアスな物語に、深く動かされることでしょう。
一期一会(Ichi-go ichi-e) *は、日本を肌で感じ取り、針刺繍とオブジェクト、デリケートな破片、予想を超えるエクス・ヴォート(奉納物)で形づくられます。自然、文化、レジデンスに刻まれた手に触れて感じられるほどの跡といった瞬間を切り取り、手で表現します。
Crédits photos :
– Portrait: © Lydie Nesvaba
© ADAGP
ヴィラ九条山とベタンクールシュエーラー財団との2つ目のパートナーシップとして、2022年から、毎年2人の「手の賢さにささげるリリアン・ベタンクール賞®」受賞者が、ヴィラ九条山に1ヶ月間滞在することになりました。
滞在中、彼らは自らの技を、日本文化の中で発展させることになります。
彼らは、ヴィラ九条山の従来のレジデント達とは立場は違いますが、彼ら自身で、改めて、アンスティチュ・フランセによるレジデンスプログラムに、ソロ、二人組み、またはデュオで応募することも出来ます。
ベタンクールシュエーラー財団、アンスティチュ・フランセ、ヴィラ九条山は、この新たなパートナーシップによって、より一層、フランスの工芸の普及 、そして日仏2国間での対話の促進に取り組めることを、嬉しく思っています。