01 9月 エマニュエル・ルベン Emmanuel Ruben
1980年リヨン生まれ、フランスの高等師範学校出身、地理学の博士、そして、国立東洋言語文化学院の卒業生でもあるエマニュエル・ルベンは、ヨーロッパの境界について探求しする小説、物語、エッセイ、短編小説を含む約10冊の著書の著者であり、多くの賞を受賞しています。
スタンダール奨学金を受け、オデッサからストラスブールまでの自転車でのヨーロッパ横断を記録した『Sur la route du Danube /ドナウ川の道路上で』(リヴァージュ出版、2019年)は、ニコラ・ブーヴィエ賞、アメリゴ・ヴェスプッチ賞、スポーツと文学賞、アカデミー・フランセーズAmic賞を受賞。『Sabre /刀』(ストック出版、2020年)はドゥ・マゴ賞受賞を、『Les Méditerranéennes /地中海のたち』(ストック出版、2022年)は歴史的小説賞を受賞しています。
また、2017年から2021年にかけて彼は、メゾン・ジュリアン・グラックを運営しました。2022年には、ポワン出版から『Nouvelles ukrainiennes/ウクライナ短編小説集』を発表、そして、イリーナ・ドミトリチンと共にウクライナ人作家の共同著書『Hommage à l’Ukraine /ウクライナへのオマージュ』(ストック出版)を制作し、翻訳しました。
『Théorie des archipels(列島理論)』
『Théorie des archipels(列島理論)』は、日本の理解を深めたい人にとって必要不可欠な3つの要素、地質学的特徴、悲劇的な歴史、政治的な現状に感化された小説のプロジェクトです。
この小説は、日本初の地図製作者であり、4,000万歩を歩いたとされる伊能 忠敬の足跡を辿るフランス人の地理学者と日本人の歴史家と写真家の3人の登場人物を描きます。日本の国土地理院によって、2023年に日本が発見した7273の新しい島を地図化するために派遣された彼らは、次第に日本の地理が無限であることに気づいていきます。
この小説は18世紀から21世紀までの叙事詩であり、複数のレベルで読むことのできる地理、芸術、文学の関係についての考察です。このプロジェクトは初めてヨーロッパの古い城壁から離れる著者の作品の系譜に連なるでしょう。
Crédits photos :
– Portrait: ©Philippe Matsas