01 9月 ディミトリ・リンカ&ニコラ・ピノン Dimitry Hlinka & Nicolas Pinon
工芸・応用美術の高等教育機関エコール・ブールの家具制作・寄木細工アトリエで工芸とデザインの両課程を修めたディミトリ・リンカは、職人仕事と技術革新を結び合わせることで最も現代的な問題に対する鋭い感性を育んでいます。父祖伝来の技能と新しいテクノロジーとの橋渡しとなるその仕事は、構想から機能的なプロトタイプの制作まで、プロジェクトの全段階をカバーしています。
2001年にエコール・ブールで家具製作部門の工芸免状を取得したあと、ニコラ・ピノンは伝統的及び現代的な仕上げ技術の習得に専念。ある講演会で日本の《漆》のことを初めて知り、この技術に傾倒することになりました。2006年には漆芸の大家で元東京芸術大学教授の大西長利を知るところとなり、同氏に師事し知識を深めました。
植物繊維
プロジェクトは植物繊維を巡るもので、デザインと職人仕事の分野におけるリサーチが3つの軸に添って進められます。つまり、植物繊維の利用の可能性に新たな活力を与えること、製造にまつわる秘密を再発見または解明すること、そしてフランスにおける発展についての考え方を提案することであり、そのため、日本の職人たちのもとで学んだ経験が足がかりとなります。
日本の専門家たちと協働することで、ニコラ・ピノンとディミトリ・リンカは彼らのノウハウと専門能力を享受し、リサーチを充実させるとともに、フランスにおける植物繊維の利用に関し斬新なアプローチを発展させたいと考えています。
このプロジェクトは、デザインおよび職人仕事の分野において植物繊維の発展および活用に寄与することで、探求、創作と異文化交流の機会を提供するものです。
Crédits photos :
– Portrait: Entropie ©Nicolas Brulez
– Amplitude ®Etienne_Lobelson
– Dimitry Hlinka – luminaire Taiwan ®Juliette Leclercq
– entropie ®Etienne_Lobelson
– Kiseki, Nicolas Pinon ®Matthieu Gauchet