シモン・ムルスはベルギー国立高等舞台芸術学院（INSAS、ブリュッセル）で演技を、フランス国立高等人形劇学院（ENSAM、シャルルヴィル・メジエール）で人形劇の学業を修めました。マリオネットグループ《Projet D》を拠点とし、演出家、人形遣い、俳優として活動しています。

小林ともえは武蔵野美術大学空間演出デザイン学科で舞台美術を学び、舞台衣装、小道具のデザイン製作を行っています。フランスと日本を行き来しながら、黒沢美香（コンテンポラリーダンス）、フィリップ・ジャンティ・カンパニー（マリオネット）等の創作活動に携わってきました。

深淵と湧出、または有益な残酷

今日、人々は怒り、憤り、破壊衝動を感じる多くの理由があります。多種多様に渡るその原因をひとつだけに限定する必要はないでしょう。どんな形をとるにせよ、私たちの生活においてますます存在感を示している暴力をこの二人組はテーマにしています。現実とは異なる次元での表現、また、ユーモアと残酷さの狂おしい共存を可能にするマリオネットを用いた作品のデュオプロジェクトです。