02 9月 クリスティン・マッカーディー Kristin McKirdy
クリスティン・マッカーディー:陶芸家
陶芸家のクリスティン・マッカーディーは、フランスと北米(カリフォルニア大学ロサンゼルス校とカナダのバンフ・センターで芸術修士を取得)で芸術、美術史、陶芸を学びました。アイスランドの高等美術学校での指導経験を経て、1993年にフランスに移住。実利目的の創作活動から解放され、自身の芸術的ビジョンに沿った陶芸の彫刻表現を追求するマッカーディー。これまでに培ってきた技術を駆使し、人類の歴史とともに存在してきた陶磁器に宿る魂に寄り添う作品づくりを行なっています。多様な文化の影響を受けた彼女の作品は、陶磁器を、人類の歴史を語る証人、そして人体を象徴するメタファーとして捉えています。2008年にセーヴル国立陶磁器美術館でのレジデンスを行い、2012年には同美術館でのマッカーディーの回顧展が開催されました。これに続き、ラ・ピシーヌ、ルーべ工芸美術館やボルドー装飾芸術とデザイン美術館でも作品が展示されました。2009年に「手の賢さに捧げるリリアン・ベタンクール賞®」を受賞。2016年には、クリス・ヴァン・アッシュの依頼を受け、DIOR HOMME (ディオール オム) コレクションのアクセサリー制作に携わりました。彼女が生み出す陶芸の彫刻作品は、パリのJousse EntrepriseギャラリーとブリュッセルのPierre Marie Giraudギャラリーにて販売・展示されています。2020年には、フランス文化省より芸術文化勲章を受章。現在、彼女の作品は、パリ装飾芸術美術館、セーヴル国立陶磁器美術館、国立造形芸術センター(CNAP)で国立美術館所蔵コレクションとして展示されています。
ヴィラ九条山のプロジェクトでは、京都の生活や文化に身を置くことで、自身の作品の基盤である、簡素的精神、自然を敬う心、素材を大切にする姿勢、モノと行事の関係、そして、初期作品に強い影響を与えたインスピレーションの源を再発見したいと考えています。日本におけるモノの象徴的な表現、その表現と用途の関係性を学び、卓越した技術や歴史のある美術工芸品コレクションに触れることで、日本文化への理解を深めていきます。また、新たなインスピレーションの源泉を探求し、新しい創作活動の礎を築きたいと考えています。
Crédits photos :
Portrait : Kimberley Gaultier © Kristin McKirdy
Œuvres : photo Benoît Grenllet / © Kristin McKirdy
Sans-titre, 2013, 50 x 26 x 18 cm, céramique émaillée
Sans-titre, 2018, 20 x 69 x 67 cm, céramique émaillée
Sans-titre 2019, 57 x 16.5 x 13 cm, céramique émaillée
Sans-titre, 2013, 64 x 39 cm, céramique émaillée