20 12月 タオス・ルトラン Taos Bertrand
グランゼコール準備学級とソルボンヌ大学では文学と哲学を、パリのアベス音楽院ではコンテンポラリーダンスを学んだバンジャマンカリッム・ベルトランは、コンテンポラリーダンスの踊り手と振付家としての道を歩み続けています。これまでに、オリヴィエ・デュボワの振付作品『Tragédie/悲劇』『Auguri/アウグリ』に出演したほか、造形芸術家ジャン=リュック・ヴェルナ、演出家マリーヌ・マヌやポップアーティストのクリスティーヌ&ザ・クイーンズやアーティストユニット(LA) HORDEなどとも一緒に仕事をしています。自らのダンスカンパニー《RADAR》とは『Orages/嵐』(2015年)、『Rafales/突風』(2017年)、『Inside your bones』(2019年)などの作品を発表し、空間性や虚空との関係性、他者やある種の振動の強さとの関係性などの体験としてのダンス体験に関心を寄せています。
『Vestiges/名残り』
ヴィラ九条山でのリサーチ・プロジェクト『Vestiges/名残り』によって、バンジャマンカリッム・ベルトランは日本におけるスピリチュアリティに触れたいと考えています。日本列島の上で、触覚的で密やかなダンスを描き出したいと考えています。それは自己の領域と自己の内奥の深淵との間で分かち合われたダンスであり、能の摺り足やある種の葬儀に見られる慰めの仕草から想を得たものです。こうした記録とフィクションに基づくダンスの素材が、4名の演技者と1名のサウンドアーティストからなるグループのための最初の作品『La fin des forêts/森の終わり』を造り上げる土台となります。