25 7月 ドミティーユ・マルタン Domitille Martin
ドミティーユ・マルタン:ストリートパフォーマンス、サーカス、マリオネット
幅広い種類の素材を使って作品を生み出す彫刻家、ドミティーユ・マルタン。ギャラリーや劇場だけでなく、従来のアートスペースとは異なる場所でのインスタレーション・アートを行なっています。国立高等装飾美術学校(ENSAD)を2015年に卒業したのち、リオデジャネイロの造形芸術大学で学びました。自然からインスピレーションを受け、形作られるのがマルタンの作品。変貌をテーマとするだけではなく、動物、植物、鉱物、人間も扱っています。作品に命を吹き込むため、パフォーマンスアーティストとコラボレーションを行い、ダンサーやサーカス・アーティストと共に「Collectif Maison Courbe」を設立しました。2020年にはピエール・ゴーティエ・ディレイ賞を受賞し、パリ国際芸術都市に1年間滞在。マルタンは、素材との関係性を作品と創造プロセスの出発点としながら、作品を通して、斬新なパフォーマンスと造形芸術、そしてサーカスの道具と舞台装飾といった、分野の異なる芸術間の融合を追求しています。
Mondes Mouvants(変動する世界)
Mondes Mouvants(変動する世界)は、日本の祭りにおける植物繊維を探求するプロジェクトです。様々な素材として用いられる植物と、稲作の所作を模範した舞の象徴的な動きに、強い関心を寄せるマルタン。本プロジェクトでは、自然と一体となり、古くから伝わる芸術に回帰できるような、隠された儀式、舞踊、そして関連する職人仕事への理解を深めたいと考えています。人間と自然を結びつけ、古くから伝わる芸術とのつながりをより深めてくれる祭り。そこには、世界に適応し変化していく人の力と、何層にも形を変える植物素材の様子が映し出されています。本プロジェクトでは、人間の活動が自然にもたらす変化、アーティストの動きが与える影響、そして祭りが語り継ぐ物語に焦点を当てます。素材、身体、空間という、マルタンのこれまでの作品の延長線上にある本プロジェクト。日本文化に触発され、さらなる創作活動の深化を目指します。
Crédits photos :
Portrait: Domitille Martin © Mathilde Sirvart Simonian
Oeuvre en fibre de lin, Domicile Martin © Alessandra Carosi
Oeuvre en fibre de lin, Domicile Martin © Alessandra Carosi
Oeuvre en fibre de lin, Domicile Martin © Chris Daeppen
Mue en papier washi, Domitille Martin, Inbal Ben Haim et Setouchi Circus Factory © Inbal Ben Haim
La tornade, Domitille Martin et Alexis Mérat © Domitille Martin