20 12月 バンジャマン・オーブリ Benjamin Aubry
2011年にヴェルサイユ国立高等建築学院を卒業した建築家・都市計画家のバンジャマン・オーブリは長年に渡って日仏両国の間を行き来しながら学び、仕事をしてきました。
都市と建築に対する日本的なアプローチに強い関心を抱き、SANAA、中山英之やアトリエ・ワンなどの建築事務所でも働きました。数年前から、戸建て住宅に関する建築行為とリサーチの双方に跨るプロジェクトに取り組んでいます。
《小さな経済》
増殖力に富み、創意豊かな日本の大都市は、建築および都市計画に関し、これまで日本国外ではあまり知られることのなかったイノベーションを数多く有しています。2011年から2014年にかけて日仏交流プロジェクト 《Kenchiku Architecture》を共同で立ち上げ、その運営に携わったあと、バンジャマン・オーブリは、10数年前に着手した個人的な仕事を継続し、出版につなげたいと考えています。
《小さな経済》はドイツの写真家ベッヒャー夫妻やアトリエ・ワンの仕事に触発された調査プロジェクト。その目的は幾つかの建物を調査するだけでなく、建築と用途に関して特別な意義を備えた都市特有のやり方を掘り起こすことにあります。模型、写真やドローイングの形で再現される《小さな経済》の狙いは、ヨーロッパの大都市の未来のために、建築、経済、都市構成の新たな尺度の創出を巡る考察を醸成することにあります。