ベタンクールシュエーラー財団による特別支援

「才能に翼を与える」
これがフランスの発展と威信に寄与するために、ベタンクールシュエーラー財団が30年近く実施していることです。

人とその可能性を信じ、自発性、創造、品質を重要視する一族によって創設されたこの財団は、営利目的ではなく、公益性を重視し、社会的責任を目標とする精神と活動方式を規定する信念に沿って、その活動を展開しています。

財団の使命は、以下の三つの活動分野においてその本領を発揮しています。
・生命科学 (リサーチ、学術的研修、科学文化の普及)
・文化 (工芸、合唱、ドキュメンタリー)
・社会面 (自立、社会是正、構造改革)

多くの賞を与え、それぞれのプロジェクトに添ったサポートを提供しています。創設当初から、1980年代後半まで、450名の受賞者の、そして各種団体、協会、施設、組織による1500もの企画を支援してきました。

2015年度の予算額は、52.000.000ユーロです。
ベタンクールシュエーラー財団に関する更なる情報は、www.fondationbs.org を御覧ください。

15年前からベタンクールシュエーラー財団はフランスの工芸分野の評価向上に努め、「手の賢さに捧げるリリアンヌ・ベタンクール賞」のおかげで、その名声を確立する手助けを行っています。
2014年には財団はその取り組みをさらに強化し、この賞を含むとともに、さらなる拡大を図る「手の賢さのためのプログラム」を新たに創設しています。このプログラムは、工芸分野の専門家や公的機関を支援するため、教育訓練、プロデュース、啓蒙、価値付けや継承と言った重要課題を中心とした政策を発展させるものです。財団は卓越性・革新性・多分野横断性を重んじるリリアンヌ・ベタンクール賞の精神と価値観に従い、従来からのパートナーシップを継続するとともに、新たな活動支援も積極的に行っています。

それ故、ベタンクール・シューラー財団は、リニューアルオープンしたアーティスト・インレジデンス、ヴィラ九条山の新規プログラムを3年間、支援することにしました。様々な分野が出会い、異文化が向き合うヴィラ九条山という特別な場所が、今後、工芸分野にも門戸を開くことになり、クリエーターや工芸家という、多分野出身のレジデントが、各自の探求を通じて、意見や制作によって対話をすることで、互いに心を育み合うことができ、京都に特に数多く残されている日本の技の発見や体験の場となっていくことをめざします。

ベタンクールシュエーラー財団の支援により、ヴィラ九条山は工芸家を含む創作家たちに理想的なリサーチ環境を提供することで、フランス文化の威光に資する活動を続けることができます。そしてこれらの支援活動が今後フランスの工芸分野の国際的評価を高めることに寄与することが狙いです。

ピエール・ベルジェ氏の支援

「1962年に初めて日本を訪れ、その時以来、この国に対し深い感嘆の念を抱いています。日本では、文化、文学、映画、庭園、演劇、料理のどれもが私の気に入っています。ヴィラ九条山に新たな命を吹き込むことは、私にとってはあたりまえのことでした」 ピエール・ベルジェ

1930年にフランス大西洋岸のオレロン島で生まれたピエール・ベルジェ氏は、年若くして文学に興味を抱きました。初版本の販売を手掛けることでパリの文壇に出入りし、その後、ベルナール・ビュフェと出会い、彼のパートナーとなり、8年間に渡ってこの画家の仕事のマネージメントを行いました。1958年にはイヴ・サン=ローランと出会い、1961年には二人でオートクチュールのメゾン「イヴ・サンローラン」を設立し、2002年までその経営に当たりました。

根っからの演劇・オペラ愛好家であるピエール・ベルジェ氏は1977年にアテネ=ルイ・ジューヴェ劇場を買い取りました。彼を経営者に迎え、劇場は古典戯曲の上演と若い才能の発見を交互に行いました。ベルジェ氏はダニエル・カタンと一緒に「アテネ月曜音楽会」を企画し、世界の有名オペラ歌手が1989年にいたるまで次々とこれに出演しました。1988年にはパリ国立オペラ座の会長に選ばれ、1994年まで在任し、その後、名誉会長となっています。

「メセナをするには、好きにならなければならない」と言うピエール・ベルジェ氏は、以前から自ら惚れ込んだアーティストやプロジェクトを支援してきました。例えば、ポンピドー・センターにある国立近代美術館やロンドンのナショナル・ギャラリーの常設展スペースの整備、ルーヴル美術館がパトリス・シェローに白紙委任の形で依頼したイベント企画、さらにはパリ・オペラ座でのリヒャルト・ワグナー作『ニーベルングの指環』の上演などです。また、フィリップ・グラスやジョン・ケージなどの作曲家を支援し、彼らのパリでの処女コンサートをプロデュースしたほか、クロード・レジやピーター・ブルックなどの演出家の支援も行っています。特に、ロバート・ウィルソンに対しては全面的な支援を与え、2014年に彼の傑作『浜辺のアインシュタイン』のパリ再上演を実現しています。

2001年には「文化芸術の偉大な擁護者」の称号を授けられたピエール・ベルジェ氏は、現在では2002年に設立されたピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団の会長を務めています。この財団の使命はイヴ・サンローランの作品を保存し、その輝きを広く伝えるとともに、多分野横断的なパリの現代芸術祭「フェスティバル・ドトーヌ(秋の祭典)」やパレ・ド・トーキョーの現代アート企画「 レ・モジュール」などを支援することで、現代創作を奨励することにあります。

ピエール・ベルジェ氏の協賛により、ヴィラ九条山の改修工事が行われました。

リニューアルオープン以降、ヴィラ九条山は、ベタンクールシュエーラー財団の支援を受けています。

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リニューアル・オープン後のヴィラ九条山では、サンゴバン提供の調光ガラスsggPRIVA-LITE®を使用しています。

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