29 9月 イリス・デ・ムウイ Iris de Moüy
イリス・デ・ムウイはイラストレーターで、ペナンゲン学院でグラフィックアートを学びました。児童書を手掛けるとともに、ファッション雑誌、高級ブランド(エルメス)やパリのボン・マルシェなどのブティックのために仕事をしています。Honoré(オノレ)という名の犬のキャラクターを作り上げ(ナイーブ出版社)、数多くの本のイラストを描いています。彼女の最新作『Petite soeur(仮題:妹)』は2014年にL’école des loisirs社から刊行されています。
イリス・デ・ムウイは2015年3月から6月にかけてレジデントとしてヴィラ九条山に滞在。その滞在中、日本の妖怪と幽霊に関する本を執筆しました(2016年にEcole des loisirs社から出版)。彼女のリサーチは主として京都国際マンガミュージアム所蔵の資料に基づき進められました。
こうしたリサーチと並行して、イリス・デ・ムウイは日本画の伝統的素材や技法に親しみ、京都で見つけた和紙や独特の風合いを備えた絵具などを材料として本の制作を行いました。これにより、絵具と切り紙の組み合わせを基本とした技法を編み出しました。
彼女のデッサンは2015年夏に京都国際マンガミュージアムでの個展で発表されました。レジデンス期間中は、日本の出版関係者に会ったり、子供向けのワークショップに参加したりしたほか、京都の清水寺のためのデッサンやアンサンブル九条山のコンサートのポスターも制作しました。
ミュージアムの怪談
「ミュージアムの怪談」は、日本の妖怪から発想を得て生まれた、オリジナル妖怪キャラクター達を紹介する展覧会です。
観覧者の皆様には、ミュージアム各所に隠れている妖怪達を、探していただくことになります。それぞれの妖怪達の紹介文も、一緒に展示されています。
イリス・デ・ムイが、ヴィラ九条山滞在中に執筆したのは、初めて学校から一人で帰る怜子ちゃんが、帰り道でこれらの嫌な妖怪達に出会うお話です。