02 9月 アガット・シャルネ Agathe Charnet
アガット・シャルネ:演劇
作家、演出家、劇作家、コメディエンヌのアガット・シャルネ。ノルマンディーDRAC(地域圏文化問題局)に認証を受けているLa Vie Grande劇団(ル・アーブル)の共同美術監督でもあります。パリ政治学院、ソルボン大学およびパリ第7大学の文学部、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)にてジェンダー社会学の修士号を取得したのち、文学と演劇に本格的に取り組み始めました。2021年からは、ロレーヌ・ド・サガザン(La Brèche劇団)の劇作家として活動を始め、2022年には、作品「Ceci est mon corps」の脚本と演出を手掛けました。さらに2024年には、バスティーユ劇場で行われた「Naissance.s」と「Nous Étions La Forêt」の二作品の脚本・演出を担当。脚本を手掛けた9作品のうち3作品の台本が、Oeil du Princeから出版され、ARTCENA(国立サーカス芸術・演劇センター)による劇作家ペアの共同作品プログラム2023年に選出されました。
Himono-onna 干物女:この世界に何をもたらせるのか
「干物女:この世界に何をもたらせるのか」は、作劇法のプロトコールに基づいた学術的研究、言葉の収集、エクリチュールと演劇ラボの中で、「21世紀初頭のフランスと日本における家庭を持つ/持たない選択」の意味を、繊細かつ詳細な人物描写を通して比較検討する作品です。本プロジェクトは、特にフェミニズム研究、中でもスタンドポイント理論の視点から、女性やLGBTQ+の人々の権利をめぐる社会運動を、フランスの背景を反映しながら探求し、クリエーティブな場におけるジェンダー問題を考察するものです。さらに、経済危機、気候変動、地政学的危機といった現代社会が抱える課題の中で、「親としての在り方」という密な共通体験に基づいた、恋愛と結婚における愛の違いについても掘り下げます。統計学的に共通点が多いとはいえ、異なる文化的背景を持つ多様な人生経験をつなぎ合わせることで、フィールドインタビューで織りなされる対話、そこで生まれる意味のある矛盾や、会話で交わされる言葉だけでなく、幅広い人々を対象としたアトリエ・ラボでの身体表現にも光を当てます。本プロジェクトでは、日本とフランスの両国で演じられる作品を執筆すること、そして、環境に配慮しつつ日本の舞台で放映することを目的としています。
Crédits photos :
Portrait: © Mathilda Cabezas
Œuvres:
– Ceci est mon corps – Virginie Meigné
– Nous Etions La Forêt – Virginie Meigné