29 9月 ゴリアト・ディエーヴル&カンタン・ヴォロ Quentin Vaulot & Goliath Dyèvre
カンタン・ヴォロは理系の教育を受け、高等デザイン学院に在籍したあと、ENSCIに入学しました。
ゴリアト・ディエーヴルは造形芸術に重点をおいた文系の教育を受けました。パリ・ヴァル・ド・マルヌ建築学院にしばらく在籍したあと、国立工業デザイン高等学院(ENSCI)に入学しました。
5年前からユニットを組んでいる二人のデザイナーはエルメスやデザイン家具のチナなどの仕事を手掛けています。また、ギャラリー・ゴスレ、ギャラリー・ロジェ・タトールや「火と土の芸術研究センター(CRAFT)」と一緒に研究活動も行っています。身の回りのものを隠すための一組のクロッシュ(ドームカバー)からなるプロジェクト『Fantôme/ファントム』は2011年、チナ社のコンペのインテリア小物部門で第2位に輝きました。
カンタン・ヴォロとゴリアト・ディエーヴルは2014年9月から12月にかけてヴィラ九条山に滞在。二人の当初のプロジェクトは「Le silence des objets/モノの静けさ 」と題され、京都の杉本家住宅を出発点とするものでした。このプロジェクトでは、日本文化におけるモノの機能性と使い方が問い直されました。
この伝統住宅を訪れ、光のきらめきにより生成される「目に見えない装飾」を発見し、日本文化の中に明確な使用機能がないと思えるモノを発見したことから、二人は一連のリサーチを展開し、粗描やイメージ図を通した把握が試みられました。
これにより二人がものにした388枚のデッサンは、杉本家住宅の建築概念と結びついたカテゴリーに従い、3つのシーケンスに分類されています。
- 大黒柱のオブジェ
- 床の間のオブジェ
- 間(ま)のオブジェ
カンタン・ヴォロとゴリアト・ディエーヴルは主としてモノづくりの分野で活躍する数多くの企業や伝統工芸家のほか、何人かのデザイナーを訪ねています。京都造形大学では、自分たちの仕事を紹介したほか、学生とのワークショップも行いました。