01 1月 セリーヌ・ライト Céline Wright
セリーヌ・ライトは工芸家兼デザイナーで、日本で過ごした若い頃に興味を抱いた和紙から日々、インスピレーションを得ています。デュプレ応用美術学院のテキスタイル科を卒業後、ルイ・ヴィトン社やイタリアのデザイナー、パオラ・ナヴォーネのもとでデザイナーとしての経験を積んだあと、照明器具の制作に手を染めました。その後、セリーヌ・ライトの照明器具はボリューム感を増すとともに極端なまでの軽やかさが特徴的な作品となっています。セリーヌ・ライトは和紙という天然素材の可能性を、作品づくりに欠かせない前提条件である実験を通して、極限まで突き詰めています。あらゆる形のシェル構造を実現するために当初エンジニアの助けを借りて開発された技術により、セリーヌ・ライトは有機的な形を備え、自然に優しく、完全に手作りの紙の彫刻の予測不能な側面を克服しています。
1997年から、セリーヌ・ライトの工房と自分の名前をつけたブランドは詩情豊かな作品を発表しており、例えば鳥の群を思わせるインスタレーションはフランス国立公文書館博物館に明かりを灯し、ブランドのベストセラーである《Nuages/雲》シリーズのライトを花綱状に繋いだ作品はパリの百貨店ギャラリー・ラファイエットのメゾン館の吹き抜け空間を飾りました。
Le washi en trois dimensions/ 3D和紙
京都でのレジデンス時、セリーヌ・ライトは和紙の製造技術と利用についての自分の知識を、建築の技術的特性の見地から深め、日本の伝統工芸の匠のもとで斬新でありながらも自然な技法を見出したいと考えています。
半透明という和紙に固有の特徴を大切にしながら、今回は内から外へと向かう表面を構造化することがリサーチの重要な軸のひとつとなり、丈夫さ、軽やかさと繊細さを兼ね備えたハニカム構造(蜂の巣状)の立体的な素材の開発が目指されます。
写真:
Portrait : crédit Anne Emmanuelle Thion
Céline Wright, vue d’atelier, crédit Anne Emmanuelle Thion
Céline Wright, Nuée oiseaux Quincampoi, crédit Anne Emmanuelle Thion
Céline Wright, descente d’escalier musée des Archives nationales
Céline Wright, Chateau Beychevelle