10 9月 マルク・ジェフリオ Mark Geffriaud
パリを拠点に活動し、インスタレーション・アート、彫刻、映画、写真、パフォーマンス、執筆活動など、多様な技法を用いるマルク・ジェフリオ。ジェフリオの作品によって表現されるアート・シーンには、空間の使い方やその空間に対する人々の意識を変える力が秘められています。空間に存在する建築物、その利用方法や歴史、そこに集い、働く人々の一つひとつが作品を構成する大切な材料となっています。ジェフリオの作品は、フランスのみならず海外の個展や(FRACイル=ド=フランス、ジュ・ド・ポーム国立美術館、ヴァル・ド・マルヌ現代美術館、パレ・ド・トーキョー、ヴィット・デ・ウィット美術館)、グループ展(ポンピドゥー・センター、ロサンゼルスのMAKセンター、ジュネーヴ近現代美術館、プラハ国立美術館、ニューヨークのArtists Spaceなど)で展示されています。また、国立美術館所蔵コレクションとしてもポンピドゥー・センター、パリ私立近代美術館、イル=ド=フランス県、アキテーヌ地域圏、ノルマンディー地方、ロレーヌ地域圏のFRACで展示されています。
環境に優しくエコな日本家屋
空き家の数が急増し続けている日本。木造家屋は解体しやすいことから、修理や改修を行うことで、住み継ぐことができます。新たな資源と資材としての可能性を秘めているのが、日本家屋なのです。一部の建築家、デザイナー、アーティストがこのような資材の再利用に注目する中で、必要不可欠となってくるのが、古くから伝わる大工の職人技の伝承、そして環境に配慮した新しいアプローチです。大工仕事を形作ってきた森林への関心は、慣行や社会問題とともに変化しています。木材の再利用という伝統的な木材保存技術を用いることで、新たな建築用木材の需要を抑制し、結果として森林伐採を減らすことにつながります。これにより、自然を収奪しない原生林としての、新たな森林利用と木材補修の道が開けます。日本における再生利用とその課題をモデルとした、長期プロジェクトの実現を目指すジェフリオ。作品を一定の展示場所に固定して元の姿を維持し続けるのではなく、モビリティを追求し、既存作品を再解釈できるようなプロジェクトづくりを目指しています。また、作品と空間という関係の再定義を追求し、「どうやって空間を生み出すか」という問いを投げかけていきます。
Crédits photos :
Deux mille quinze, 2016 projections synchronisées, obturateurs, voix off, vue d’exposition, Le Plateau — Frac Ile-de-France, Paris
Photo : Martin Argyroglo
Shelter (inventaire), 2014, vue d’exposition, Une lettre arrive toujours à destination(s), La Panacée, Montpellier
Photo: Brice Pelleschi
Tes mais #1, 2023, page de livre encadrée et nitrate d’argent
Photo : Aurélien Mole
Tes mais, 2023, porte dérobée menant à une salle accueillant une programmation aux heures de fermeture de la galerie (performance de Charly Bechaimont), vue d’exposition, galerie gb agency, Paris
Photo : Mark Geffriaud