20 12月 アンドレ・バルディンガー André Baldinger
チューリッヒではタイポグラフィを、パリの国立タイポグラフィ研究アトリエ(ANRT)では書体デザインを学んだアンドレ・バルディンガーは、1995年には自らのアトリエを設立。2008年にはトアン・ヴュフュと組み、グラフィックデザインとタイポグラフィのアトリエ《バルディンガー・ヴュフュ》を設立。また、パリ国立装飾芸術学院(EnsAD/Paris)とチューリッヒ芸術大学(ZhdK)でタイポグラフィと書体デザインを教えているほか、EnsAD/Parisのリサーチラボ《EnsadLab Type》の共同設立者でもあります。スイス連邦デザイン賞、東京TDC賞、「スイスの最も美しい本」コンクールなどの受賞歴があるアンドレ・バルディンガーの作品は、フランス国立図書館(BNF)、チューリッヒデザイン美術館や富山県立近代美術館などのコレクションに収められています。
2018年には、ル・アーヴルの地方現代美術センター《ル・ポルティック》がバルディンガー&ヴュフュの二人展を開催しています。
ヴィラ九条山でのプロジェクトは、歴史的資料の探索・調査や日本のタイポグラフィ専門家との交流を通じて、日本語とラテン文字の新しい書体をデザインするための基本原則を確立し、検証するもの。写本からデジタル時代までが参照されます。
これまで用いられてきた字形のレパートリーに関し、その美的概念と過去20年間の変遷を巡る問いかけがなされるとともに、文化の継承、書体デザインの新しいツールの可能性、読む習慣や媒体の変化についての考察が行われます。