26 12月 ジョアン・デプレ Johan Després
2009年にグルノーブル高等建築学院を卒業したジョアン・デプレは、2013年に古い建物の改築・組積工事の事業を職業共同組合《Cabestan》の傘下に設立。そして、土の建築を手がけるとともに、粘土質の土を突き固めて主要材料として用いる古来の技術である《版築》の修復を専門とすることなりました。
寿命を迎えた時に責任を持って処分できない建築材料を用いないことを心がけるジョアン・デプレは、廃材を出さないこと建築材料管理の基本とする倫理的なアプローチを重視しています。
2016年にミラノでの土の意匠コンペ《Terra Migaki Design/土磨きデザイン》で優勝したジョアン・デプレは日本に招かれ、すでに長年に渡って学んできた技術に磨きをかける機会を得ました。
日本滞在中には、日本の土壁に関する知識と経験を深め、セルフビルドや、設計と施工をどのように両立させるかに関しても探求を続けました。
完璧な動作を求めて
土という素材を創意豊かな実験の場として捉えるジョアン・デプレは、ヴィラ九条山において、フランス式のやり方と日本の職人技術の間に《完璧な動作》を求めるための準備作業を進めます。出会いとアトリエでの実験的作業の間の行き来を通して、素材の挙動、道具や施工を理解に努めます。
現場でのこのリサーチにより、左官の棟梁や職人との関係が織り成され、自らの技量を豊かにすることができます。そして、最終的には、日本の技術をヨーロッパに伝えることを目的としたドキュメンタリー映画の制作プロジェクトも手がけることになります。