13 1月 アンヌ・ルトロテール Anne Le Troter


2016年の現代アート展《サロン・ド・モンルージュ》に入選し注目を集めたあと、その翌年にはパレ・ド・トーキョーが個展の形でアンヌ・ルトロテールの造形作品を紹介。言語、話し言葉とそのメカニズムに目を向けた芸術活動は、情報収集と現代社会による情報の消化という微妙な問題を取り上げています。
サン・テティエンヌ高等美術デザイン学院とジュネーブ造形芸術大学(HEAD)で学び、今では同大学で教鞭を取っているアンヌ・ルトロテールが、創作助成金を初めて手にしたのもスイスでした。そのおかげで、ブラジルのクリチバ・ビエンナーレや米国ダラスのナッシャー彫刻センターを始め、フランス国内外で展示を行い、最近では、サン=ナゼールの現代アートセンター《ル・グラン・カフェ》でインスタレーション作品『Parler de loin ou bien se taire/遠くから話すか、さもなければ黙る』を発表。
レンタルフレンド
2つの映像作品『Family Romance/家族の伝奇』と『MARTAGUEULE/怒鳴るマルタ』制作後、アンヌ・ルトロテールは、ヴィラ九条山での滞在中に言語の機微を研究することで、言語によって生まれる感情を解体し、閉ざされた形の映像作品の実現に取り組みます。
日本のインターネットサイト上の出来事に着想を得て、アンヌ・ルトロテールはこれらのサイトの立役者と協力しあい映像作品を作ることで、彼らの思考の内部空間を数人の登場人物が発言によって代弁する舞台やシーンのように捉えることを目指します。
ここでは発言は、心拍を増強させ、様々な要素によって構成される精神的な身体を体験するための生きた道具のようなものとして考えられます。