01 10月 アンジュ・レッチア Ange Leccia
アンジュ・レッチア 1952年にコルシカ島のミネルヴュで生まれ、パリ第1大学(パンテオン=ソルボンヌ大学)で造形芸術を学んだあと、最初のフィルム『Stridura』(1980年)を16mmで制作する一方、『TV+』(1979年)ではテレビ画像に関する考察に着手しています。1981年から1983年にかけてヴィラ・メディチのレジデント研究員を務め、1985年にはグルノーブル高等美術学院の教授に就任。これと並行して、ミニマルなインスタレーションも展開し、工業製品を向かい合わせに配置することでレディメイドの問題を新たな視点で捉え直しました。こうした作品には映画の神話学が色濃く表れています。また、国際的な美術展への出展も数多く、中でもニューヨークのグッゲンハイム美術館(1986年)、第8回ドクメンタ(1987年)やミュンスター彫刻プロジェクト(1987年)を挙げることができます。1990年代からは、主としてビデオ作品に回帰し、『海(Mer)』(1991年)、『爆発(Explosions)』(1994年)や『嵐(Orages)』(1999年)をものにしたほか、ドミニク・ゴンザレス=フォルステルと数本のフィルムを共同制作しています。2001年にはパリのパレ・ド・トーキョーのレジデンス式創作ラボ「パヴィヨン・ヌフリズOBC」のディレクターとなり、2004年に劇場公開された 『アゼ(Azé)』やレティシア・カスタ主演の『La Déraison du Louvre(仮題:ルーヴルの不条理)』(2006年)などの作品を通して自らの仕事も発展させています。2009年には、初めての長編フィクション映画『Nuit bleue(仮題:青い夜)』を監督し、2010年に劇場公開の運びとなりました。2013年にはヴァル・ド・マルヌ現代美術館(MAC-VAL)で、2014年にはパレ・ド・トーキョーで個展を開催しています。