02 6月 ヴィオレーヌ・ブレーズ Violaine Blaise
ヴィオレーヌ・ブレーズは染織品(テキスタイル)を専門とする文化財修復家で、フランス国立文化遺産学院(INP)を卒業。ギメ美術館やガリエラ宮パリ市立モード美術館のほか、ピエール・ベルジェ財団のために仕事をしてきました。2009年以降、仕事の中心となっているのは日本の染織文化財で、なかでも繊維と紙と金属箔を組み合わせた作品の修復を主として手掛けています。研究活動の成果に伴い、2010年にはフランス国立図書館(BNF)が所蔵する日本の操り人形を修復することになりました。2013年から14年にかけて日本に1年間滞在した時には、金糸・銀糸で浮き模様をつけた絹紋織物「金襴」に特に強い関心を抱きました。
ヴィラ九条山でのレジデンス中、ヴィオレーヌ・ブレーズは日本における「印金」(布地の上に金箔でモチーフを印刷する技法)の歴史と制作技法に関するリサーチ活動を行いたいと考えています。今ではこの技術を専門とする工房は存在しないものの、制作手順を辿ることで、昔ながらの技法を忠実に守った「印金」コレクションを再現したいと考えています。リサーチの成果は工芸家、美術家、研究者や修復家に広く提供されることになり、現代の創作において、「印金」に新たに眼が向けられ、新たな用途が生み出されることが目指されます。