29 9月 ヴァンサン・ロマニー Vincent Romagny
ヴァンサン・ロマニーはインディペンデント・キュレーターであり、フリーの編集者です。『Aires de Jeux(遊び場)』展を企画し、Infolio社から『Anthologie, aires de jeux d’artistes(仮題:アンソロジー、アーティスたちの遊び場)』を刊行しています。また、リカール企業財団とギャラリー「Air de Paris」のキュレーターを務めた経験もあります。「Hypertexte」誌や「Mouvement」誌などの雑誌に寄稿しているほか、 資料収集センター「美術評論アーカイブ」のためにも文章を書いています。2013年からはリヨン美術学院で哲学と美術を教えています。
ヴィラ九条山でのプロジェクトを通じて、ヴァンサン・ロマニーは「遊び場」を巡る考察を進め、この実に都市的なテーマを日本の現代アートの美的・理論的・実践的潮流と照ら合わせることで、その美的側面を明らかにしようと努めました。。1960年代に作られた児童公園と、こうした建造物に付随する芸術的・理論的側面に関心を抱くことになったのは、公園整備の主だった推進者たちとの出会いを通してのことでした。
これと並行して、京都造形芸術大学の協力を得て、ヴァンサン・ロマニーは3人の日本人学生と仕事をし、京都市内の遊び場の写真記録を行いました。
ヴァンサン・ロマニーは日本のアート界、特に現代アートのあり方や伝統芸術との関係を巡る観察を行うことで、リサーチの充実を図りました。リサーチを進める中で、何人かのアーティストと出会う機会を得たほか、ニュイ・ブランシュKYOTO 2015の際には、京友禅の老舗が運営する「千總ギャラリー」での展覧会も企画し、会場では日本の伝統的な着物がこの機会に創作された西洋のアーティストの作品と対話を交わしました。