02 4月 カトリーヌ・ムリス Catherine Meurisse
カトリーヌ・ムリスは風刺漫画家、青少年向け書物のイラストレーターでバンド・デシネ作家。グラフィックアートと印刷技術の専門校「エスティエンヌ学院」とパリ国立装飾芸術学院を卒業。豊かな教養とユーモアを織り交ぜた彼女のアルバムは様々な芸術分野間の対話を特徴としています。2016年に出版されたバンド・デシネ作品『La Légèreté/軽やかさ』では、風刺雑誌シャルリー・エブドの襲撃事件のあと、普通の生活を取り戻し、仕事に復帰するに到った自らの体験を語っています。2017年には、ダンスフェスティバル《Concordan(s)e》においてアメリカ人振付家のDDドーヴィリエと組んで、動きと絵画により、ニオビッドの神話を探求する舞台作品を初演しています。
「眼に入るものはことごとく画として見なければならん」
『草枕』から引用されたこのフレーズを拠り所として、カトリーヌ・ムリスが提案するのは夏目漱石の小説から自由に着想を得たデッサンの仕事。そこでは、(既に『La Légèreté/軽やかさ』の核心にあった)西洋の美の体験が東洋の美の体験と突き合わされることになります。また、ムリスは自作の絵をダンスと組み合わせることで、漱石によって語られた詩的な旅に新しい次元を付け加える試みにも取り組みます。