25 7月 マルティーヌ・レイ マルティーヌ・レイ
マルティーヌ・レイは漆芸家。パリ応用芸術学院を卒業したあと、京都市立芸術大学で学んだ折に日本の漆塗りの技術と出会い、これを習得。それ以来、漆をお気に入りの素材としてきたのは、深みと力強さを備えた黒の色合い、触れて見たくなる質感、オブジェに高級感を与え、個々のモノの捉えがたい美しさを引き出す力のためです。
マルティーヌ・レイはレジデンスを漆の国の本源への回帰だと捉えています。最も伝統的な技法を深く追求することで、こうした伝統から完全に解き放たれた地平に至った彼女は、新たな対応関係、新たな領域を確立しようとしています。そのため、日仏両国の美的感性、共有されたり借用されたノウハウを問いかけることで、その狭間にあるものや符合するものを、漆芸家を主とする日本のアーティストとの共同作業において、探ることになります。