02 6月 マチュー・ペイルーレ・ギリニ&ロールリーヌ・ガリオ Mathieu Peyroulet Ghilini et Laureline Galliot
フランス国立工業デザイン学院(ENSCI)を卒業したマチュー・ペイルーレ・ギリニと同校を卒業し、オリヴィエ・ド・セール学院ではファッション・デザインの上級技術者免状(BTS)も取得したロールリーヌ・ガリオの2人は、数年前から一緒に仕事をしています。マチュー・ペイルーレ・ギリニはモノの形と機能の関係に関心を寄せ、モノの解体に関する研究を続けています。ロールリーヌ・ガリオは新しいメディアを用いて仕事をし、中でもバーチャル・デザインを具体的なオブジェに転換するため3Dプリンターを用いています。2人の共同作品はヴィラ・ノアイユでの2013年度「デザイン・パレード8」でデザイン大賞を獲得しました。ポンピドゥー・センターは2014年に『Le Jardin Numérique/デジタル・ガーデン』と題された2人のインスタレーションを紹介しました。フランス国立造形芸術センター(CNAP)はシリーズ作品『Contour & Masse/輪郭とマッス』を2015年に購入しています。これと同じ年、2人はパリのデザイン・フェスティバル「D’DAYS」とケルンのPASSAGEN インテリアデザイン・ウィークに参加しました。
ロールリーヌ・ガリオとマチュ・ペイルーレ・ギリニは日本の民間伝承について調べ、中でもいたずら好きで時に邪悪な超自然的な存在である「妖怪」を取り上げることになります。日本の浮世絵に描かれた妖怪は、日常生活が呼び起こす不安要因を受け入れることやある種の出来事の特異さや荒々しさを示すものとなっています。妖怪が日常的なモノ(雨傘、金槌、下駄など)の姿を借りて描かれることの多いことに触発された2人は、こうした存在と同じようにエネルギーを誘導するデザイン・オブジェの具体化について考えることになります。