29 9月 マニュエラ・ポール=カヴァリエ Manuela Paul-Cavallier
木製品への金箔貼りの美術工芸家であるマニュエラ・ポール=カヴァリエはインテリアデザイナーのために金の古色仕上げを行うとともに、顔料や金箔を用いた抽象作品を制作しています。彼女は13世紀や18世紀のフランス、イタリアの古い技法を用いています。
マニュエラ・ポール=カヴァリエは2014年10月から12月にかけてヴィラ九条山に滞在。そのプロジェクトは2つの軸を中心としたもので、その1つは木製品や漆器への金箔貼りの伝統技術であり、もう1つは民芸運動、岡倉天心の『茶の本』や谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』に触発された無駄のない仕草でした。
マニュエラ・ポール=カヴァリエは金箔貼りの技術に関して情報交換し、木、竹、漆や紙などの仕事に触れるため、数多くの伝統工芸家のもとを訪れました。こうした出会いに伴い、壁面、竹や漆器に金の古色仕上げを施すことを目指し、いくつかの企業とのコラボレーションが実現されることになっています。
また、神郡宇敬から書道の手ほどきを受けたことで、無駄のない仕草を実際に稽古することもできました。これにより、レジデンスの日数と同数の88枚のデッサンを仕上げ、これは2015年3月にパリで展示されました。
彼女のレジデンスは、同時期にヴィラに滞在していたデザイナーのゴリアト・ディエーヴルとのコラボレーションにもつながり、「Le petit théâtre de lumière/光の小劇場 」と題されたこの共同プロジェクトは、2015年6月にパリのデザイン・フェスティバル「D’Days」で紹介されることになっています。