22 3月 ヨアン・ブリュネル Johan Brunel
ヨアン・ブリュネルは場所の誕生や再生を手助けするにあたって、スケール、テクノロジーとスタンスとの適切な釣り合いを図るとともに、利用者同士の出会いを促し、交流の質を高めるに必要な条件を取りまとめます。
ボビニーの文化会館《MC93》のエントランスホールやレストラン、オルリーのパリ空港公団(ADP)のオフィスなど、文化施設や仕事場のために家具や空間のデザインを担当。自ら立ち上げたデザイン集団《atelier[jes]》とは、2004年以降、フランスの国立美術館のために若い来館者向けのインタラクティブな展示装置を開発しています。ヨアン・ブリュネルは2014年度エミール・エルメス賞に輝いたほか、ローマ・フランス・アカデミー(ヴィラ・メディチ)の2015/16年度レジデント研究員に選ばれました。
Ré-conforts /元気づけ:バス用品と良い気分にしてくれるモノ
デザインにおいて単なる快適性と言うよりも元気づけてくれるものの探求に取り組んでいるヨアン・ブリュネルは、《良い気分にしてくれるモノ》の研究を日本で進めることになります。その手始めとなるのが、入浴のひと時に欠かせないバス用品。
ローマでは現代的な社会プロジェクトにおける結節点としての水の役割について仕事をしたのに続いて、ブリュネルが関心を寄せるのは入浴を本物の場所における本物の時間にしてくれるモノ。また、こうしたバス用品がくつろいだ気分を高めてくれる能力を他の領域に移し替えることも探ります。木工芸家・中川周二とは、彼らの共通の関心事である移動式浴場やある種の制作技術の再解釈を巡りコラボレーションを行うことになります。