02 4月 ブノワ・ビュケ Benoît Buquet
ブノワ・ビュケは教師であり研究者。トゥール大学の助教授を務めています。現代美術、展覧会、グラフィックデザインや視覚文化の歴史、批評と理論に関心を寄せ、いくつかの雑誌(Critique d’art誌, 20/21 siècles誌, Tombolo誌など)に寄稿しているほか、著書としては『Art & design graphique. Essai d’histoire visuelle /アート&グラフィックデザイン:視覚文化史 の試み』(2015年Pyramid社)があります。
トゥールにあるオリヴィエ・ドブレ現代美術センター(CCC OD)では実験ギャラリーの展示企画を担当し、「5 Minutes after the show」(2013年)、「 Black Box」(2014年)、「Ce qui reste sans rester/残ることなく残るもの」(2015年)、「Big Data」(2016年)などの展覧会を手掛けました。2014年にはパリのギャラリー《22,48 m2》でカロリーヌ・ドリュートラスの「Stereo View」展のキュレーターを務めました。2018年初めに出版予定の新著のタイトルは『Graphics. Art et design graphique aux Etats-Unis dans les années 1960 et 1970/グラフィックス:1960年代70年代アメリカのアート&グラフィックデザイン』(2018年Presse Universitaire François Rabelais社)となっています。
黒い天体
1970年の大阪万博(EXPO’70)の名残として今も鎮座する《太陽の塔》。岡本太郎が手掛けたこの作品の背面には不気味な黒い太陽が描かれています。このモチーフとこれに隣接するいくつかのフォルムを検討することで、《Astres Noirs — 黒い天体 》と題された展示企画と出版物が実現されることになります。
書物という形はここでは、《未来の廃墟》の断片と近年の現代アート作品のいくつかを結集することのできる、れっきとした展示空間として構想されています。複数の語り手による一種の航海日誌となる書物により、考古学的な発掘調査の報告と同様に星間旅行の報告を行うことが可能となります。