29 9月 ネリー・ソーニエ Nelly Saunier
14才の時に羽根細工に手を染めたネリー・ソーニエはオリヴィエ・ド・セール学院(国立応用芸術工芸高等学院)で学びました。ジャン=ポール・ゴルティエとは、17年に及ぶ期間中に、いくつかのコレクションで一緒に仕事をしています。また、ニナ・リッチのオリヴィエ・ティスケンス、ジバンシィのリカルド・ティッシ、ジャン・シャルル・ド・カステルバジャック、パコ・ラバンヌやジェローム・ドレフュスとも一緒に働いています。
ヴィラ九条山でのプロジェクトは日本の美術工芸家と協力し、男女ハイブリッドのカラーコードのテキスタイル・モチーフを創作すること。モチーフは、こうした新しい連携を象徴する生地を作り出すために解釈し直され、お気に入りの素材である羽根がテキスタイルの構成の中に組み入れられます。
ネリー・ソーニエは2015年9月から12月にかけてレジデントとしてヴィラ九条山に滞在。そのプロジェクトは当初、男女ハイブリッドのカラーコードのテキスタイル・モチーフをデザインし、テキスタイルの構成の中に羽根が組み入れられるというものでした。
ところが、いくつかの出会いにより、仕事の方向性が見直されることになりました。日本滞在に先立つ数ヶ月前のこと、ネリー・ソーニエは京都市立芸術大学出身の6名の若手アーティストとのワークショップの指導を要請されました。また、ヴィラ九条山でのレジデンスを開始すると同時に、銀閣慈照寺・花方の珠寳とのコラボレーションに着手することを希望。2人のアーティストはニュイ・ブランシュKYOTO 2015の機会に羽根でできた木の枝を用いたパフォーマンスを行いました。 こうした出会いから生まれたのが、「Nature transformée/作り変えられた自然 」と題された新作シリーズで、羽根を用いて再現された花や葉をあしらった木の枝から構成されています。
これら2つのプロジェクトは尾道市立美術館での「オノミチ・ランデブー」展で紹介されました。これとは別に、京都市立芸術大学のアーティストたちとの展覧会は2016年1月に同大学のギャラリー @KCUAで開催され、ネリー・ソーニエにとってはヴィラ九条山でのレジデンス中に開始された「Nature transformée」シリーズを発展させる機会となりました。
日本で初めて紹介されたネリー・ソーニエの仕事は染色家、テキスタイル関係者や数珠加工の専門家を始めとし、数多くの協力者や工芸家から高い関心を集めました。