02 6月 ディディエ・アシュール&村山政二朗 Didier Aschour et Seijiro Murayama
ディディエ・アシュールはギタリストにして作曲家。パリ国立高等音楽院(CNSM)で学んだあと、ユーディ・メニューイン財団から賞を授かったほか、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会の奨学生となりました。作曲家としては、ダンスの分野でマティルド・モニエ、ジェルマナ・シヴェラやパトリス・バルテスなどの振付家と一緒に仕事をしています。2007年以降は、モンペリエ音響フェスティバルのプログラム編成チームにも加わっています。2012年には、アンスティチュ・フランセのレジデンス・プログラム「Hors les murs 」に選ばれ、ニューヨークで実験音楽の三大巨匠アルヴィン・ルシエ、クリスチャン・ウォルフとラ・モンテ・ヤングとのリサーチ・プロジェクトを実施。1996年には、楽器指定のない音楽作品とミニマル・ミュージックを専門とするアンサンブル《Dedalus》を結成し、実験的現代音楽の擁護に努めています。
村山政二朗は独学の打楽器奏者。東京外国語大学を卒業後、1982年に灰野敬二と組んで米国でプロとしてのキャリアを開始しました。帰国後は、主に即興音楽の分野で仕事をしています。村山の仕事は音楽、ダンス、ビデオ、絵画、写真、文学や哲学など跨る多領域性を発展させています。
ヴィラ九条山でのデュオ・プロジェクトは「Ici [Improvisation‐Composition‐Interprétation]/ここ[即興・作曲・演奏] 」と題され、音楽活動を通して、作曲、即興や演奏の概念を問い直すリサーチとなります。こうした探求において、二人のミュージシャンはジョン・ケージやコーネリアス・カーデューが同じ問題提起に基づき作曲した代表的作品を演奏することになります。レジデンス中にまとめられたテキスト、録音、楽曲がこうした実験の報告ともなります。