02 4月 ルイーズ・ルモワンヌ&イラ・ベカ Louise Lemoine & Ila Bêka
イラ・ベカとルイーズ・ルモワンヌが主としてそのリサーチ活動の中心に据えているのは、現代建築と都市環境を巡る新しい語り口と映像表現の実験。
型破りで極めて主観的な視点を備えた2人の映像作品は、用途という概念に狙いを定めながら、現代建築の静的なイメージに活気ある姿を取り戻させています。2人の映像作品は個人的な物語に満ち溢れた世界への扉を開き、私たちが暮らしている空間が私たちの誰もに直接関わりのある社会的、文化的、政治的問題とどれほど重なり合っているかを明らかにします。ニューヨーク・タイムズ紙に「建築界のカルト的存在」として紹介された2人のアーティストの映像作品は、世界の批評家から「建築と都市に関する私たちの語り方を変化させた」(イタリアの建築雑誌 “domus”)と賞賛されました。2016年のこと、ニューヨーク近代美術館(MoMA)は、常設コレクションに入れるため、ベカ&ルモワンヌの全作品を購入しました。
ホモ・ウルバヌス
世界の街歩き日記
《ホモ・ウルバヌス》は各地を巡りながらのリサーチ・創作プロジェクトで、長期的に展開され、世界の様々な都市においていくつかの段階を経ることになります。これには、京都と東京のほか、ボゴタ、ソウル、ナポリ、ラバト、サンクトペテルブルクやメキシコも含まれることになります。極めて自由な形態を備えたこの映像作品プロジェクトは、これらの都市の路上で繰り広げられる日常生活の主観的な探訪日記として構想されています。非公式経済、路上での日銭稼ぎ、個人が生き残るための様々な方法、集団の規則に対する個人の自由 —— これらが、この断片的物語の主要テーマとなります。異なった都市環境を比較するアプローチにより、各都市を居住のための実験室として読み解くことができ、共生というグローバルなチャレンジに対する個別的でローカルな回答が提供されることになります。