02 6月 オリヴィエ・セヴェール Olivier Sévère
オリヴィエ・セヴェールは美術家。パリ国立高等美術学院(ENSA)で学び、2002年に卒業。立体作品、インスタレーションや写真を制作し、その作品は自然の形態や使用材料を解釈し直すことで、理解の拡大を図るものとなっています。同じような石の集まり(Un seul et même/まったく同じ、2014年)はその人工的な起源と石に形を与えた金型の存在を露呈し、木製のクリスタル(Polyèdres/多面体、2012年)は、秘密を打ち明けるためであるかのように、金箔を貼られた1面を隠し持っています。ゼヴェールの仕事が鑑賞者に提案するのは、モノの目に見える側面の向こう側に立ち止まり、詩的な曖昧模糊としたフォルムを見出すことです。
ヴィラ九条山での滞在中に行おうとしているリサーチは、彼の作品にすでに用いられているいくつかの素材に基づくものです。つまり、火山石、古来の森の木、陶磁器やガラスです。ここで目指されるのは、こうした素材の日本における性質と形態を問いかけながら、作家としての活動を整理し、継続することです。日本という国の島国性、構造地質学的位置や文化といったいくつかの特殊性を通して、古来の科学的・文化的知識と私たちを取り巻く物質性に対する現代的眼差しの間に絆を作り出すことが問題となります。
Un seul et même