02 4月 エマニュエル・ギヨー&川口隆夫 Emmanuel Guillaud & Takao Kawaguchi
パリ=セルジー国立高等美術学院を卒業したエマニュエル・ギヨーは陰鬱で迷宮的なインスタレーションを制作しています。それは数多くの写真のプロジェクションからなる現代的なファンタズマゴリー(魔術幻灯)で、「Until the sun rises/陽が昇るまで」は東京都現代美術館(2010年)、シンガポール美術館(2011年)、現代アートセンター《パヴィヨン・ヴァンドーム》(2015年)で、「Untitled, after Piranesi/無題、ピラネージにならって」はアンスティチュ・フランセ東京(2017年)で発表されました。
日本を代表するコンテンポラリーダンサーのひとりである川口隆夫はソロ作品のほかコラボレーションも数多く手掛けており、例えばダムタイプとは10年間に渡って一緒に仕事をしました。川口は現在、「大野一雄について」と題されたソロダンスパフォーマンスでツアー中。この作品は現代舞台芸術祭《クンステン・フェスティバル・デザール》(ブリュッセル)、アルカンタラ・フェスティバル(リスボン)、ジャパン・ソサエティ(ニューヨーク)、REDCAT(ロサンゼルス)などで上演のほか、2018年にはパリ市立劇場に巡回の予定となっています。
あなたの肌から霧を舐めとってあげる
プロジェクトは2人のアーティストの8年来の親交、お互いに対する敬意と不断の対話から生まれたもので、2人の芸術的探求を、欲望と身体の政治的かつ美的争点に焦点をあわせた共同プロジェクトのなかで発展させる必要がありました。レジデンス期間中、2人は忘れ去られた亡霊や失われた記憶を京都の真っ只中で追い求めることになります。それは神々や戦士や皇子たちの同性愛の記憶であり、2人はこうした記憶を蘇らせ、身体が映像と入り混じり、過去が今の瞬間と融合するパフォーマンスを行うことになります。