19 5月 野良展示0.0–MOHITORIパビリオン– ノエル・ピカペール(2024年度、建築) Exposition Nomade 0.0 – Pavillon MOHITORI par Noël Picaper (2024, architecture)

ヴィラ九条山と、日本有数のビジネス街である大手町・丸の内・有楽町のエリアでアーティストのコミュニティを運営する有楽町アートアーバニズムYAUとのパートナシッププログラムとして、東京・大手町のホトリア広場にて2025年5月30日(金)よりノエル・ピカペール(2024年度、建築)のパビリオン展示を実施します。
ノエル・ピカペールは昨年4月~8月にヴィラ九条山で滞在し、6月には約1週間YAUのサポートの下、東京でのリサーチを行いました。その間、日本の伝統的な建材である「焼杉」の技術など、日本において建築と火の間に存在する関係を探求しました。そしてこの度、アジアで初開催となる環境問題やサステナビリティをテーマとしたフェスティバル「第11回「哲学の夕べ」― Agir pour le vivant 生きものとともに」の一環として小規模な建築物『野良展示0.0–MOHITORIパビリオン–』を発表します。
このパビリオンは、大手町・丸の内・有楽町のエリアの重なりと、水の巡り、そして雨樋や階段、屋根といった日常の建築のかけらとの対話を紡ぐ装置として構想されます。
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パビリオンは複数の意味合いを持っています:
· 都市の標識:遠くから見える小さな塔は、光る金属の外壁は周りのガラスビルと呼応し合い、昔ながらの雰囲気を持つ暗い屋根はまるで空に浮かんでいるように見えます。
· 見晴らしのいい展望所:階段を上がると、人や川、街を観察できる空間があります。階段は座る場所としても使えます。
· 水の儀式:雨の日には、雨水が彫刻の雨樋に流れ、つくばいにたまります。訪れた人が自分でつくばいに水をそそぐこともできます。
「MOHITORI」は、普段見過ごしている自然や日常の一部を見えるようにします。「生きているもの」を考えることは、こうした静かな気づきから始まるのかもしれません。
このプロジェクトは、ヴィラ九条山のポスト・レジデンス・プログラムとして実施されており、アンスティチュ・フランセパリ本部、アンスティチュ・フランセ、ベタンクールシュエーラー財団の支援を受けています。
■ 展示概要
野良展示0.0 –MOHITORIパビリオン–
会期:2025年5月30日(金)~6月末
- 5月29日(木)18:30にオープニングイベントを予定
- 会場:ホトリア広場(東京都千代田区大手町1-1-1 大手門タワー・ENEOS ビル西側)(google maps)
- 時間:会期中は自由に観覧可能、入場無料。
- 内部見学は、スタッフがいる時のみ(日程は、YAUのホームページでご確認ください)
以下の日程で、MOHITORIパビリオンを「見晴らしのいい展望所」として体験できます。建築家ノエル・ピカペール/展示担当者による解説付き。
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- 6/1(日)10:00~11:00, 16:00~17:00
*10時、16時にお集まりの方は、お隣で開催中の「野良展示」ツアーにもご参加いただけます
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- 6/2(月)18:00~19:00
- 6/3(火)12:00~13:00
- 6月末までのホトリア広場での展示後のパビリオンの巡回は、YAUのホームページをご覧ください。
- 本展覧会では東京藝術大学主催の野良展示とも連携し、東京日仏学院(新宿区)で開催される「第11回「哲学の夕べ」― Agir pour le vivant 生きものとともに」フェスティバルプログラムの一環として実施。
■ 関連イベント
- 東京日仏学院にて 5/23 (金) – 6/15 (日) ノエル・ピカペールのプロジェクト紹介展ドローイング展
- 東京日仏学院にて 5/31 (土) トークセッション
- 時間:12:30 – 13:30
- モデレーター:建築家・大村高広
- 登壇者:ノエル・ピカペール、森純平(東京藝術大学/YAU)
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- 6月5日(木): ヴィラ九条山の一般公開
- ノエル・ピカペールと蘆田暢人のトーク
- 時間: 未定
ノエル・ピカペールは2016年にストラスブール国立高等建築学院を卒業した建築家。スイス、日本とフランスで経験を積んだ後、2019年に建築事務所《Onomiau》を設立。公共空間に設置される東屋、民間プロジェクトの設計監理、都市・景観設計、展覧会、教育、フィクションなど、様々な分野の間を行き来しています。
儀式や地球のサイクルに敏感なノエル・ピカペールはそのリサーチの一部を風変わりな建築を編み出すことに割り当てています。それは、短い間、場所の性質を高め、その場所の利用者を探検家に変身させる建築です。ささやかな規模であることが多いこうした構造物は、世界を凝縮することに適用され、その脆弱性を本質的な要素として引き受けるものです。構造物の位置と公共空間への組み入れられ方、またそれが始動する教育的側面は、地域レベルで共鳴することのできる空間を生み出します。構造物は亡霊のように立ち現れたり消えたりし、慎み深く、時には目に見ないが、しかし重要な現在の痕跡を残していきます。

森純平
1985年マレーシア生まれ。東京藝術大学建築科大学院修了。在学時より建築から時間を考え続け、舞台美術、展示、まちづくり等、状況を生み出す現場に身を置きつづける。2013年より千葉県松戸を拠点にアーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」を設立。今まで600組以上のアーティストが街に滞在している。主な活動にMADLABO(-2011)、遠野オフキャンパス、遠野南部曲がり屋千葉家改修中 (2015-)、ラーニングをテーマとした「八戸市新美術館設計案(共同設計:西澤徹夫、浅子佳英)」(2017-)、東京藝術大学芸術未来研究場特任准教授(2024-)。たいけん美じゅつ場VIVA(2019-)、有楽町アートアーバニズムYAU(2021-)等。株式会社インテロバング(2019)。

蘆田暢人
蘆田暢人建築設計事務所 代表、ENERGY MEET 共同代表、Future Research
Institute 共同代表、千葉大学、千葉工業大学非常勤講師
1975年京都生まれ。1998年京都大学建築学科卒業、2001年京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。2001-2011年内藤廣建築設計事務所勤務。2012年 ㈱蘆田暢人建築設計事務所設立。同年 ㈱ENERGY MEETと共同設立。2017年より千葉大学非常勤講師。2018年 ㈱Future Research Instituteを共同設立。2024年より千葉工業大学非常勤講師。これからの建築士賞、グッドデザイン賞、神奈川建築コンクール優秀賞、ウッドデザイン賞、Asia Design Prizeなど受賞多数。