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ネイティブ・マカリ & シモン・ルービー

造形芸術 映画
1月. 
 3月. 2020

プロフィール

シモン・ルービー

シモン・ルービーはパリのゴブラン映像学院とロサンゼルスのカリフォルニア芸術大学(CalArts)の双方でアニメ映画デザインを学びました。卒業制作時のフィルムは、カンヌ、クレルモン=フェラン、サンディエゴ、ブカレスト、オタワや台湾など数多くの国際映画祭に入選。2015年には、長編第1作『Adama/アダマ』がセザール賞とヨーロッパ映画賞に最優秀アニメ映画3作のひとつとしてノミネートされました。2016年から17年にかけては、ローマのフランスアカデミー《ヴィラ・メディチ》のレジデントとして、ビデオ・インスタレーションの技法を発展させ、翌年も、レルゲレン諸島でのレジデンス《Atelier des Ailleurs/別世界のアトリエ》でもこれを続行しました。

 

ネイティブ・マカリ

ナイジェリアのザリアで生まれたネイティヴ・マカリは子供時代をブルックリンで過ごし、グラフィティのアンダーグラウンドな世界に触れました。こうした都市文化をたっぷりと吸収したネイティヴ・マカリは2004年にパリに居を定めた際に、前衛集団《1984》に参加。それ以来、グラフィックノベルへと当然向かうデッサンを続けるとともに、インスタレーションやペインティングにも活路を見出しています。欧米での彼の出版物や展示が物語るのは、こうした開かれた表現の幅であり、そこでは倫理的責任が媒体の選択を保証しています。

 

2015年に、2人のアーティストは、ミュージシャンのキザイア・ジョーンズを伴い、壮大なフィルム上映『Blackout』で初めてコラボレーション。移住と労働の間の微妙なバランスを探るこのプロジェクトは2017年のイベント《 ¡ Viva Villa !》で紹介されました。この作品が端緒となった2人のコラボレーションは、今ではアニメ映画からビデオ・インスタレーションやパフォーマンスにまで発展しています。


プロジェクト

黒人サムライ弥助

日本では、ネイティブ・マカリ&シモン・ルービーは、2018年にナイジェリア北部へ旅した時に生まれたリサーチ・プロジェクトを共同で進めることになります。ザリア地方で自主管理によるアーティスト・イン・レジデンスを行いながら、2人はサヘル文化と日本文化の間に気に掛かる類似性を見いだすことができました。
そして、言語における音韻の互換性から戦士の装束や行動規範に至るまで、社会科学とフィクションの境界に位置する主観的な比較研究を徐々に進めてきました。

 

こうしたリサーチの文脈において避けて通れなくなったのが弥助という人物。日本史上初の日本人以外のサムライで、アフリカ出身の弥助の足跡は15世紀に遡ります。2人組は、封建時代における弥助の京都周辺での足取りと絶大な権力を振るった戦国大名のひとり、織田信長との出会いを跡付け、これに基づき、短編ドキュメンタリーの制作と来るべき長編アニメのシナリオを実現したいと考えています。


Crédits

1. Simon Rouby, Affiche du long-métrage ‘Adam’, Naïa Productions, 2015

2. Native Maqari, Couverture du roman graphique ‘Jack London’, le Lombard, 2018