13 11月 フォーラム・デザイン京都 11月17日 Forum Design Kyoto – 17 novembre

2018-07-13_DJI_11

フォーラム・デザイン・ド・パリとは

デザインは、我々が直面する様々な社会問題に取り組む要である。フォーラム・デザイン・ド・パリはこの考えを基に開催されます。11月16日から18日にかけて、パリで、会議やワークショップ、プロジェクトのアイディアピッチ、パフォーマンス、メディアアートが織り交ざり、環境、政治、社会、経済、科学の分野で起こっている様々な変革を横断的に繋げながら、そこでデザインがいかにその道標となりえるかを解き明かしていきます。フランスだけでなく、オランダ、イスラエル、日本も参加。それぞれの異なった視点を共有し、より持続的な社会を目指します。17日には京都を舞台に、各分野の専門家を招き、日本における新たなガバナンス、生産、消費のあり方を模索しながら、当フォーラムの重要なテーマである「生きることの指針」を模索します。

フォーラム・デザイン・ド・キョウト

明るい未来のために、人類は行動を起こさなければなりません。そしてそれには様々なものへの視線が必要です。それには、地球とそこに存在する生物・非生物の生態系、社会とその意思決定権を持つアクターたち、イノベーションとその方向性などが挙げられます。人々の世界像は、無限でどこまでも開発が可能な存在から、有限で、ひとつながりの存在へとシフトしています。まさに、我々がどのような未来へ進むのか、その価値観を醸成すべき時であると言えるでしょう。フォーラム・デザイン・ド・パリが掲げるこの巨大な課題を、私たちは京都の目から見つめます。そのために、まずこの街を形作る短期的ビジョンを描き、提案するインキュベーションイベントを行ます。そしてその結果を一般に発表する講演を開催します。その成果はパリへと届けられ、世界に共通する普遍的知見として、都市環境の新たな変革に向けた議論へと生かされます。

司会者
小崎哲哉 ジャーナリスト、アートプロデューサー

シャルロット・フーシェ=イシイ(ヴィラ九条山館長)の挨拶 : 12:30 – 12:40

KEYNOTE 1 : 13:00 – 14:00
永松仁美 「昂-KYOTO-」店主
Traditional Craft and Modern Technology -An East-meets-West case

KEYNOTE 2 : 14:30-15:30
ウスビ・サコ  京都精華大学学長

京都におけるコミュニティ・スペースの再設計を試みる実験的プロジェクト「本町エスコーラ」
少子高齢化が加速している日本において、コミュニティの在り方は変わらざるを得なくなっており、人口減少問題は日本全体を悩ましている。京都市では存在する住宅の14.1%が空き家と化し、その結果これまでに多くの小学校が閉校した。この重大な問題に直面した京都市は、アーティストやクリエイター、職人などによる空き家の改修・活性化プロジェクトを実施。「本町エスコーラ」は京都におけるコミュニティ改修プロジェクトの一例である。ここで紹介する「エスコーラ」プロジェクトの特徴と、それが直面している複雑で多様な問題点は、改修のプロセスや、コミュニティの過渡期にある街が抱える問題を理解する一助となるだろう。

KEYNOTE 3 : 15:30-16:30
トマス・ヴァン・ロルプ  研究員、 デザイナー
– DIVERSE DESIGN – Where design can help in various fields

そのスピーチの後、「インキュベーションセッション」というものを予定しています。ゲストスピーカーは京都市の未来について非公開でディスカッションします。

参加者
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小崎哲哉 ジャーナリスト、アートプロデューサー

1955年、東京生まれ。ウェブマガジン『REALKYOTO』発行人兼編集長。京都造形芸術大学大学院学術研究センター客員研究員。同大学舞台芸術研究センター主任研究員。2002年、20世紀に人類が犯した愚行を集めた写真集『百年の愚行』を企画編集し、03年には和英バイリンガルの現代アート雑誌『ART iT』を創刊。13年にはあいちトリエンナーレ2013のパフォーミングアーツ統括プロデューサーを担当し、14年に『続・百年の愚行』を執筆・編集した。18年3月に『現代アートとは何か』を河出書房新社より刊行。

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永松仁美 「昂-KYOTO-」店主

京都生まれ。京都・古門前の骨董店の長女として育ち、結婚、子育てを経て、2008年京都・古門前に店を構える。2012年祇園に移転し「昂 KYOTO」をオープン。京都で出会った古いものと現代作家の作品を取り合わせたモダンな設えを提案し、自店のグッズのデザインやショップのコーディネートも手がける。

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ウスビ・サコ  京都精華大学学長

1966年、マリ共和国生まれ。高校卒業後、北京語言大学へ留学したのち、南京東南大学で建築学を学ぶ。1991年に来日し、京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。研究対象は「居住空間」「京都の町家再生」「コミュニティ再生」「西アフリカの世界文化遺産(都市と建築)の保存・改修」など、社会と建築空間の関係性を様々な角度から調査研究を進めている。著書に『知のリテラシー・文化』(ナカニシヤ出版 2007)など。2001年に京都精華大学人文学部専任講師に就任し、2013年同学部教授となった。2018年4月1日、同大学学長に就任。

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トマス・ヴァン・ロルプ デザイナー

トマス・ヴァン・ロルプはユトレヒト芸術学校でアートと芸術を学びながら、Bureau Design Digitale Zaken(アムステルダム)にてプロジェクトマネージャー、クリエイティブサイエンティストを務めています。 Tomásは現在、卒業制作のために日本に滞在しており、街をより生活に適したものにするためにデザインがいかに役立つのか、というテーマで調査を行なっています。

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共同創設者/共同代表 ルシール・レイボーズ & 仲西 祐介
ルシール・レイボーズ
写真家。1973年生まれ。幼少期を過ごしたアフリカで写真を始める。1999年、坂本龍一のオペラ「Life」参加のために来日。ポートレート写真を得意とし、ブルーノートやヴァーヴといったレーベルのレコードジャケットの撮影を手がけた経験を持つ。アフリカと日本を拠点に、数々の展覧会で作品を発表。主な個展に「Visa pour l’image」(2001)「Phillips de Pury in New York」(2007)、CHANEL NEXUSHALL(2011)などがある。『Batammaba』(Gallimard)『Sourse, Belles de Bamako』、平野啓一郎との共著『Impressions du Japon』(共にEditions de la Martinière)などの作品集を出す。2013年より仲西祐介と「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」を始める。
仲西祐介
照明家。1968年生まれ。京都在住。世界中を旅し、記憶に残された光のイメージを光と影で表現している。映画、舞台、コンサート、ファッションショー、インテリアなど様々なフィールドで照明を手がける。アート作品として「eatable lights」「Tamashii」などのライティング・オブジェを制作。また原美術館(東京)、School Gallery(Paris)、「Nuits Blanche」(京都)でライティング・インスタレーションを発表する。

あごうさとし 劇作家・演出家・(一社)アーツシード京都代表理事

1976年、大阪府生まれ。80年代後半から90年代にかけて香港で過ごす。同志社大学法学部卒業。「複製技術の演劇」を主題にデジタルデバイスや特殊メイクを使用した演劇作品を制作する。代表作に「total eclipse」(横浜美術館・国立国際美術館 2010)「複製技術の演劇—パサージュⅢ−」(こまばアゴラ劇場・アトリエ劇研 2013−2014)等がある。2014−2015年、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として、3ヶ月間、パリのジュヌヴィリエ国立演劇センターにおいて、演出・芸術監督研修を受ける。京都国際舞台芸術祭2016 SPRINGにおいて、ショーケースキュレーターを務める。2014年9月-2017年8月アトリエ劇研ディレクター。2017年1月、(一社)アーツシード京都を茂山あきら、やなぎみわらと立ち上げ、新しい劇場をつくる
プロジェクトを開始する。
同志社女子大学嘱託講師 京都造形芸術大学非常勤講師
若手演出家コンクール2007最優秀賞受賞
2010年度京都市芸術文化特別奨励制度奨励者
利賀演劇人コンクール2012奨励賞受賞
2013—2014年度公益財団セゾン文化財団ジュニアフェロー対象者
平成29年度京都市芸術新人賞受賞

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オロール・ティブー  アーティスト

デュペレ応用芸術高等学院と国立装飾芸術高等学院(アールデコ)の出身のオロール・ティブーは舞台芸術の衣装デザイナーです。第21回イエール・ファッション・フェスティバルのグランプリと2013年度パリ市デザイン大賞に輝いています。彼女の仕事は折りあるごとに紹介され、ヨーロッパのほか、日本や米国でもリミティッドエディションが販売されています。

オロール・ティブーのヴィラ九条山でのプロジェクトは型染めと友禅という日本の伝統技法を新たな視点から見直し、新しいテキスタイル作品の創出を目指すものでした。テキスタイル関係の数多くのアーティストや名工と出会うことで、オロール・ティブーはリサーチ活動を充実させ、様々な工房で実験を行うことができました。
レジデンス中のオロール・ティブーの取り組みは、画家の大舩真言との出会いから生まれた2つのイベントを通して、ニュイ・ブランシュKYOTO 2015の際に具体化されました。1つは鳳笙奏者の井原季子 とのコラボレーションによる展覧会で、もう1つはダンサーの森山開次によるパフォーマンスで、その衣装を彼女が手がけることになりました。
これと並行して、オロール・ティブーは滞在中、彼女のコレクションを取り扱っているブティックに足を運び、作品制作の方法と背景を説明することにも努めました。

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ジョバンニ・インネッラ 研究員

1982年、トリノ出身。トリノ・ポリテクニック大学(イタリア)でインダストリアルデザインを学び、デザイン・アカデミー・アイントホーフェン(オランダ)でコンセプチュアルデザインを学んだ後、ノーザンブリア大学(イギリス)にてデザイン批評博士課程修了。現在は東 京を拠点に、国内外で活動の他、産業技術大学院大学(首都大学東京)で教鞭を執る。

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石山 暁  デザイナー

California College of the Arts BFA Interior Design卒業。2011年・13年にパリで展覧会を企画運営した経験から、希少価値の高い日本製品を海外へ紹介することに興味を持つ。2016年〜、日本と海外の職人や工芸作家同士をつなぎ、彼らの作品や製品を海外へ発表・販売する展示会の企画運営に携わる。京都在住。

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イザベール・オリヴィエ  フリーランスキュレーター

コンサルタント、インディペンデント・キュレーター。東京を拠点としたのち京都へ移り、過去十二年間に渡り実験的な日本のアートシーンを追ってきた。彼女は音楽やビジュアル・アート、演劇や工芸品、デザインなどを編み合わせた国際的な企画を発展させており、現在は日本と中国において「Wonderlab」プロジェクトを手掛けている。2011年にはポンピドゥー・センターが主催する国際映画祭「オールピスト」東京版を立ち上げ、2012年から2016年にかけてはアンスティチュ・フランセ関西の文化プログラム主任として、また同時に国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」の統括マネージャーとして活動。最近の任務として、パリのアートフェア「ASIA NOW」 の日本会場代表や、その2018年の展覧会における日本会場共同キュレーターなどが挙げられる。

@ヴィラ九条山
11月17日(土) / 12:30 – 16:30
参加無料
英日逐次通訳