01 1月 テディー・サンチェス Teddy Sanches

デザイナーであるテディー・サンチェスが、2019年にパリ国立高等工業デザイン学院(ENSCI – Les Ateliers )の工業デザイン科を卒業するにあたり制作し、審査員から高い評価を得たのが「Envahisseurs Battle/インヴェーダーズ・バトル」というプロジェクト。ポンピドゥー・センターを舞台に、デザインとダンスをミックスした新機軸のイベントです。これと同じ年には、サークル(円、輪)を基本概念としたこのプロジェクトの一環として企画された映像作品とハプニングにより、アウディ・タレンツ・アウォードも受賞。テディー・サンチェスの日常に入り込んだヒップホップは、明日の世界のニーズのための豊かな遊び場となったり、グラフィカルな空間演出と都市文化とを融合させるための素材となったりします。2021年夏には、テディー・サンチェスは、週末1回限りとしてパレ・ド・トーキョーで開催される、パフォーマンスを盛り込んだグループ展にも参加します。
テディー・サンチェスはまた、デザイナー・ユニット《Hall Haus》の共同設立者でもあり、ラファイエット・アンティシパシオン財団のレジデンス・プログラム「À l’Oeuvre/仕事中」の機会に《Hall Haus》のデザイナーたちは、自分たちのアイデンティティの宣言とも言えるオブジェとして《Curry Mango/マンゴーカレー》と名付けられたアームチェアのデザインを手がけ、発表しました。.
Envahisseurs, les Tenues / インヴェーダーズ、ワークウェア
「インヴェーダーズ・バトル」のための最初の衣服を制作するにあたって、テディー・サンチェスが提起した問いかけは、身体によって場所はどのように占拠されるのかということ。間もなく、空間演出と都市環境が、そしてそこに建物が描き出すことのあるラインが集約する先として浮かび上がったのは、日本のワークウェア、つまり工事現場で着用される作業着です。こうした日本での最初の経験から、テディー・サンチェスはワークウェアのビジョンと、日本の仕事着や織物にとって馴染み深いシルク生地である《ちりめん》を持ち込みました。
レジデンス時には、テディー・サンチェスはこうした創意工夫に富んだアプローチを日本で継続したいと考えています。それは丁度、ヒップホップがそれとはまったく類似したところのなかったオブジェや規範を取り込むことで構築されるのに似ています。繊維に関する伝統的ノウハウが日本のストリートの限りない造形性とミックスされることで、ヒップホップの再生とその起源を象徴する《ワークウェア》が具現されることになります。
写真:
Portrait : Deicy Sanches
Teddy Sanches_Envahisseurs_Palais de Tokyo_Affiche
Teddy Sanches_Envahisseurs_Palais de Tokyo
Teddy Sanches_Envahisseurs Battle_2019 credit Mario Simon Lafleur
Teddy Sanches_Body & Clothes, Le fan de mode à l’ère des réseaux sociaux_2018_credit_ Teddy Sanches
Hall Haus_credit Mamadou Diakhite