01 1月 カリン・シュラッゲター Karin Schlageter

カリン・シュラッゲターはインディペンデント・キュレーターで、フランス・キュレーター協会(c-e-a)の理事会メンバー。パリの社会科学高等研究院(EHESS)で「芸術と言語活動」の修士課程を2011年に修了したあと、パレ・ド・トーキョーのレジデンス・プログラム《ル・パヴィヨン・ヌフリーズOBC》に参加。2018年までは、カルチュラル・スタディーズの専門誌「POLI – イメージの政治学」の編集委員会に参加するとともに、キュレーターとしての仕事と並行して、パリとベルリンを行き来しながら、パリ近郊のシャノ現代アートセンター(CACC)をはじめ、いくつかのギャラリーやアートセンターとのコラボレーションを続けました。また、建築家のセバスチャン・マルティネス・バラ(ヴィラ九条山2016年度レジデント)とも、いくつかの展示プロジェクトでコラボレーション。
2019年にはアルプス地方アンブランの現代アートセンター《レ・カピュサン》の館長代行を務め、2020年にはパリ国際芸術都市と国立造形芸術センター(CNAP)の共催による、キュレーターを対象とした初めてのレジデンス・プログラムに選考されました。
Les pistes perdues / le temps retrouvé. Relectures contemporaines des arts et traditions populaires
失われた手懸かり/取り戻された時。民衆芸術・伝統の現代的再解釈
日本では、カリン・シュラッゲターは、多くの危機に見舞われた社会におけるアーティストの居場所に関し、人新世(アントロポセン)のプリズムを通して、芸術創作が取るさまざまな《形態》に焦点を当てた展示企画に関するリサーチを行います。動員されるアプローチの交差により、《共に生きる》ことの形態および世界の表象の概念が問いかけられます。
自然と文化を一貫して対立関係に置く西洋の観点に対し、東洋の哲学で重視されるのは主体であり、もはや人間だけの専有物ではない自然環境です。今日のアーティストは近代の先人たちと同じように、昔ながらの職人仕事のやり方を自分のものとして捉え直していますが、先人たちとの違いは、職人仕事の美的性格ではなく、汚染を伴わない仕事の進め方に重きを置いていることです。これにより、芸術を私たちが所属する環境との絆を取り戻すための手段として捉え、カリン・シュラッゲターのリサーチ・プロジェクトは、《世界する(世界としてある)》能力、つまり世界と自我の間の引き裂かれた関係を修復する能力と深く結びついたものとなっています。
写真 :
Portrait : DR
Vue de l’exposition « Bovis à 13.000 » d’Eric Giraudet de Boudemange, centre d’art contemporain Les Capucins, 2019. Crédit : f.deladerrière
Vue de l’exposition « Pourquoi marcher quand on peut danser » de Cécile Bouffard, en présence de Camille Vivier, avec une note de Clara Pacotte et un son de Livio Mosca, centre d’art contemporain Les Capucins, 2019. Crédit : f.deladerrière
Vue de l’exposition « Marble Canyon » d’Hippolyte Hentgen, centre d’art contemporain Les Capucins, 2019. Crédit : f.deladerrière